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ブラジル・マットグロッソドスル州在住
濱田純一

労働党政権と為替相場

 十月の終わり、大統領選挙の決選投票で、労働党のルラ候補が初当選を果たした。一方、私の州で同時に行われた州知事選で、ルラ氏と同じ労働党候補者が再選され、二年前の選挙で当選した私の市の市長も労働党だから、ちまたは労働党一色となった。選挙中から目立っていた赤い旗はわが街を覆いつくした。

 本格的な選挙期間に入った数カ月前から、労働党政権樹立をけん制して、ブラジル通貨レアル売りが急速に進み、選挙前の九月末には一時、一ドルが三・八レアルまで落ち込んだ。選挙後の現在は、一ドル三・五レアルほどに回復しているとはいえ、半年前は二・五レアルほどだったから、やはりかなりの下落である。そんな海外からのけん制をよそに、結局はルラ氏の圧勝だった。

 九八年の半ば、一ドルは一・一レアルほどで、一ドル一四〇円時代だったから、一月三百レアルの貸家の賃貸料は四万円を超えていた。ところが、現在のレートで、同じ三百レアルの家賃を払っても、一万円強に過ぎない。

 ドルや円の収入があればこんなにいいことはないが、ブラジル人はレアルしかもらえない。人々の生活にさほど変化は見られないが、ここ四年ほどのスパンを考えれば、為替レートの落ち込みはアルゼンチンと同じだ。国民は、労働党政権にかじ取りをゆだねた。瞬く間に二、三倍に跳ね上がったパン代を見ると、不安は募るばかりだ。


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