米国・ニュージャージー州在住
アンダーソン京子
連続狙撃の恐怖が襲う
いつもはあまり事件もない平穏な町に、十月のある日、大きな恐怖が襲った。ワシントンDC近郊の連続狙撃事件だ。それは現地だけでなく、ワシントンDCから車で四、五時間北上したニュージャージー州でも同じだ。そして、目撃者がなく、犯人が一発で被害者に命中させたことは恐怖を増幅させた。
「ガソリンスタンドでの給油時は、物陰に隠れて身をかがめる」「歩く時はジグザグで早めに歩く」「明るい場所で一カ所にじっととどまらない」「発砲の音が聞こえたら、身をかがめて物陰に隠れて避難する」ことを、警察は住民に呼びかけた。
十人の死者と三人の負傷者を出した後、二十四日にハイウエーのサービス・ステーションで車の中で寝ている犯人を、トラックの運転手が不審者として警察に通報し、事件は終わりを迎えた。メリーランド州に住む友達はこの事件を通して、平和のありがたさを身にしみて感じたそうだ。
そして、三十一日は「ハロウィーン」。昨年の九月十一日の影響と今回の狙撃事件が重なってか、子供たちの気配がほとんどなく寂しい日だった。子供たちの訪問を楽しみにキャンディーを準備して待っていたお年寄りたちも、たくさんいたに違いない。四歳の娘は「ミニーマウス」に扮して私と近所回りをした。「来てくれてありがとう!」という言葉を、今年ほどたくさん聞いたことはなかった。