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タイ・バンコク在住
内藤 毅

ハロウィーンに興じる

 十月三十一日は俗に言うハロウィーンだ。もともと米国の行事なのだが、バンコクでもここ数年、この日になるとモンスターの仮装をした若い男女がディスコやナイトクラブなどでパーティーに興じる。

 ご存じのように、ハロウィーンはキリスト教行事「万聖節」の前夜祭。お祭り好き、新しもの好きなバンコクっ子には、意義などはどうでもよく、「とにかく、仮装して楽しく過ごせる日」となっているようだ。とはいうものの、「トリック・オア・トリート」、仮装した子どもたちによるお菓子目当ての家庭訪問はまだ定着していない。

 実は昨年、私の息子が友達に誘われて、この「トリック・オア・トリート」をやったのだが、この目新しい行事にアパートの住人たちは目を丸くして、戸惑った。しかし、趣旨を説明すると、多くの隣人がお菓子をくれた。一軒だけ、むげに断った所がある。息子によると、上の階に住む若いオーストラリア人夫婦だった。

 「うちは無神論者。この日とは関係ありません」と言われて、息子もあ然となった。この夫妻、気難しいことで知られており、近所づきあいも良くない。

 ところが、その晩、この夫婦は自室に知人・友人を集め、明け方までガンガン、ロックを流しながらパーティーをやっていた。「無神論者はハロウィーンと関係なかったんじゃないのか」とわが家庭が憤ったのは言うまでもない。


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