エジプト・カイロ在住
鈴木眞吉
民より官が強い“体質”
いつもはバスで行くシャルムエルシェイクへの旅を、今回は車を使ってみた。ヒッチハイカーが多いことに驚いた。道端にいる家族連れや青年などが独特の指遣いで、車を捕まえようと必死でサインを送ってくる。
外国人にとっては、ヒッチハイカーが善人なのか悪人なのか分からず、安全を最優先に考え、サインを無視するのだが、無視して通り過ごせないことが二つあった。
制服を着た警察官がサインを送ってきて、車を止めるように指示されると、交通規則を破ってしまったかなと考えたり、なにか知らせたいことがあるのかと思って、つい車を止めてしまう。すると彼らは車の中に押し入ってきて、望む場所まで乗せてくれと頼んでくる。偽警官が日本人から金を奪う事件が頻発しているのを聞いているので、証明書を提示してもらい、一人が持っていないことを理由に断り事なきを得た。
今度は帰途、検問所で兵士と士官がカイロまで乗せてくれと頼んできた。検問所勤務をしていた兵士だから信頼し、一緒に乗せてあげたが、警察官や兵士が移動するのに民間人を平気で無料で利用する体質はいかがなものかと考えさせられた。
官が民より強い国家の体質は官僚主義の弊害で、国の発展が阻まれることが多い。エジプトも近年かなり民営化を推し進めてはいるが、国家体質を変革するには時間がかかりそうだ。