モンゴル・ウランバートル在住
加藤誠也
追及されない収賄疑惑
モンゴルの発電施設建設をめぐり、三井物産の贈賄疑惑が明るみになり、三井物産の会長と社長が辞任するという事件があった。日本のマスコミでは大きく取り上げられたが、モンゴルでは一部のマスコミが大きく報じただけで、小さな扱いでしかなかった。
一般的にモンゴルのマスコミはうわさ好きだ。スキャンダラスな記事にはすぐ飛びつき、攻撃する。収賄疑惑はその格好の対象のはずだ。ところがこれを大々的に取り上げたのは、反政府系の「ウドリン・ソニン(デーリー・ニュース)」一紙だけ。同紙は、日本の新聞の引用記事を連日掲載。日本でこの贈賄疑惑がいかに大きな問題になっているか、現政権の高官がどれほど腐敗しているかを強調した。
一方、同紙のライバル紙で現政権寄りの「ゾニーメデー(センチュリー・ニュース)」は、収賄疑惑がかけられているモンゴル側の高官とのインタビュー記事を掲載した。しかし、その内容は疑惑を追及するというより、晴らすという傾向が感じられるものだった。こうした状況を見ると、野党が主張する「マスコミの90%は現政権寄り」という主張にはうなずけるものがある。
日本で騒がれている割に、モンゴルでは、マスコミも警察もこの問題で疑惑追及への大きな動きを見せていない。この事件は、このまま忘れ去られてしまいそうだ。