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ブラジル・マットグロッソドスル州在住
濱田純一

アリと“共生”する生活

 私の住む町は、南米大陸の中西部で、近隣の都市へ行くのにはどこでも、車で一時間ほど行かないといけない。その途中は大体がサバンナと呼ばれる草原で、そのまま残されているか、牧草地にして牛を育てている。その広大な土地に、茶色の三角形の塊が無数に遍在している。これはアリ塚と呼ばれるアリの巣である。大きいものになると、成年男性の背丈にもなる精巧な建造物で、人の足でけとばしたぐらいではびくともしない。

 ブラジルでは、家庭生活でもアリとともに暮らしている、と言っていいほどアリが多い。台所を少しでも汚しておけば、大小さまざまなサイズのアリが出現するし、ちょっと甘いものには、簡単なビニール袋ぐらいではアリ対策にならない。仕方がないから、一度開封したビスケットなどは簡単に封をして、冷蔵庫に入れておくしかない。

 ブラジル人はかなりのきれい好きで、こまめにあちこちをきれいにしている。もしかしたらアリがいるからかもしれない。よくお目にかかるゴキブリなどもたたいて窓の外に放り投げておけば、次の日にはもうアリがさっさとどこかに持っていってしまっている。

 先日、テレビでアリ特集をしていた。アリの種類は数万種で、総重量は六十億の人類の総体重をはるかにしのぐと言っていた。地球で一番の主人は人類ではなく、アリかもしれない。


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