エジプト・カイロ在住
鈴木眞吉
価値観変化と結婚問題
先日、在エジプト日本大使館の日本語講座を受講しているエジプト青年が、カイロで行われた日本語弁論大会で、「現代エジプトの若者の問題」という題で意見を述べた。
彼は主な問題点を三つ挙げ、一つは学生が好きな学部を選べない制度になっていること、二つ目は大学を卒業しても仕事がないこと、三つ目は結婚に金がかかり過ぎ、結婚年齢が上昇していることを指摘した。
根底に近年の金銭至上主義があり、イスラム的価値観の崩壊を憂え、百八十度思考を変えるべきだと主張した。特に結婚問題は深刻で、娘を持つ親がお金持ちや地位のある人に嫁がせようとするため、お金のない若者は結婚できないと嘆いた。
アレクサンドリア大学の女子学生も、「エジプト女性の晩婚化について」と題して意見を述べた。彼女によると、現在エジプト人女性の結婚年齢は二十八歳になったという。原因として、田舎では従来二十歳前後で結婚する女性が多かったが、男性に経済力がなく、長女を結婚させられず、二女や三女の婚期も遅れてしまうという。一方教育を受けた女性は、野心が芽生えて仕事にはまるようになり、自分の収入で自分に磨きをかける面白さから抜けられず、婚期が遅れてしまうと語った。
近代化や女性の解放が今、イスラム社会を直撃し始め、それにつれ結婚がますます難しくなってきたようだ。