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タイ・バンコク在住
内藤 毅

台湾で台風16号珍現象

 最近、台湾に二週間滞在する機会があった。中心都市台北ではちょうど、台風16号が接近していた。

 昨秋、台湾北部を襲った大型台風は各地につめ跡を残した。そのためか、政府および台北市当局は台風接近に対して過敏なほどに対応。台風16号が那覇周辺に集中豪雨を降らせた後、ゆっくりと西進し始めたころから、メディアに政府関係者などが頻繁に登場し始めた。

 それはそれでいいのだが、どういうわけか、台風対策会議に関する報道で、テレビのチャンネルをはしごするように台北市長が登場。ほぼ数時間にわたって市長の顔が画面に映し出されることになった。

 聞くところによると、台湾のメディアは民進党や国民党など支持政党がはっきりしているとのこと。ニュース報道などでも機会を捕まえては持ち上げる。今回の台風もその機会とみているらしい。

 一方、洪水に備え、橋や高架道路などに市民が自家用車を駐車し、三車線が一車線になる珍現象が発生。市当局もこうした駐車を特例措置として認めており、台湾は「危機管理」に対し、非常に柔軟な対応・意思決定を下せる政府を持っているとも言える。

 しかし台風16号は台北上陸を目前に,コースとスピードを変え、あっという間に中国大陸へと向かった。被害はほとんどなかった。「備えあれば、憂いなし」を地で行く話だった。


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