アルゼンチン・ブエノスアイレス在住
江頭利将
真冬なのに真夏日到来
アルゼンチンは南半球に位置するため、八月は真冬である。
ところが今年のブエノスアイレスは異常気象で、なんと一週間前にはセ氏三五度を超える日が数日続いた。もちろん、これはブエノスアイレス観測史上最高値なのだが、ブエノスっ子もこれには驚きを隠せなかったようだ。平均気温からすれば、二〇度以上も高い気温である。
首都ブエノスアイレスは、緯度的には日本の鹿児島くらいに位置し、一年を通して過ごしやすい温暖な気候だ。
しかし、海に近いためか、広大なパンパの平原に位置するためなのか分からないが、突然の気温の変化に悩まされることがよくある。真夏日が数日続いたかと思うと、平均気温が一五度ほど下がり、長そでを羽織らないと過ごせない日があったりすることがある。だから、街角に長そでの人と、半そでの人がいつも同居し、洋服屋にはだいたい両方置いてあるのが普通だ。
しかし、今年の異常気温はその常識を覆し、あまりの暑さに皆あっけにとられていた。街角では、アイスクリームを買い求める若者が列をなし、喫茶店は暑さをしのごうとする人でごった返していた。また、この時とばかりに冬ではあるが水着に着替えて、芝生で日光浴を楽しむ女性たちも多く見られた。環境に不平を言うよりは、それを楽しもうとするアルゼンチン人の姿をかいま見た気がした。