ドイツ・ベルリン在住
富田武史
私のユーロの楽しみ方
今年から一般流通が始まった欧州単一通貨ユーロだが、便乗値上げの原因になったなどというネガティブな報道が各国から伝わってくる。私はユーロの流通が始まって以来、毎日お金を手にするのが楽しくなった。裏面がユーロ加盟国によって違うためだ。
ユーロ圏の中で、ドイツ製のユーロが占める割合は一番高く、小国ルクセンブルクは最も少ない。それに加えて、準加盟国のモナコやバチカン市国の硬貨に出くわすことはめったにない。
ドイツ東部に位置するベルリンは、西部のケルンや国際都市のフランクフルトなどと比べて他国の硬貨が交じる確率がぐっと低くなる。毎日、買い物から帰ってくるたび硬貨の裏面を調べてみたが、半年もの間ドイツ以外の硬貨を受け取ることはできず、がっかりした。
七月になって、ついに違うデザインの一ユーロ硬貨を手にした。表面は同じデザインで大きさが同じにもかかわらず、形も大きさも違うような錯覚に陥った。
興奮してさっそくユーロ情報が載ったインターネットのページを調べると、ポルトガルのものであることが分かった。
それからというもの、次々と他国のユーロを手にし、現在は八枚に上る。夏休みに入って、多くの観光客がベルリンを訪れたためであろう。ルクセンブルクの十セント硬貨を手にしたときには、まるで宝くじに当たったような気持ちになった。