ブラジル・マットグロッソドスル州在住
濱田純一
下落する国内航空運賃
最近、ブラジルでの国内線の航空運賃が異常に安くなってきた。例えば、経済の中心都市サンパウロとここの州都カンポグランジ間を長距離バスなら約十三時間だが、飛行機だとわずか一時間半で着いてしまう。
ブラジル通貨レアルの対ドルレートの下落に伴い、輸入に依存するガソリン関係の燃料費が上昇し、バス運賃は上がる一方で、ディスカウントの航空運賃はバス運賃と肩を並べるまで下がってきた。
三年前、対ドル一対一だった為替レートは、今や一対三弱。当時三百ドルした同区間内の航空運賃は、五十ドルぐらいまで下がっている例もある。もちろん、ブラジルの広さを実感するには、長距離バスでの長旅も格別なものだが、同じ金額を払うなら、できるだけ早く着く方がいいに決まっている。
今まで長い間、国民の足としての役目を担ってきた長距離バスの利用者が減少する一方で、大都市間を結ぶ各航空会社のチケットカウンターには利用客が長い列をつくっている。
レアル安によるガソリン代の上昇、ボリビアからの割高なガス・パイプライン導入に伴う、家庭用ブタンガスの相次ぐ値上げなど、燃料費の国民生活への負担が増す中、各航空会社は生き残りをかけた、運賃値下げ合戦に突入してしまったともいえ、危うさは否めない。願わくば、この低価格がずっと続いてほしいのだが…。