アルゼンチン・ブエノスアイレス在住
江頭利将
W杯で「融和の精神」を
アルゼンチン人が待ちに待ったワールドカップがやってきた。景気の良い話がないアルゼンチンにとって、唯一の希望の象徴とも言えるワールドカップを、全国民がかたずをのんで見守っている。それに、最近毎日流れる「ワールドカップをテレビで見よう」というCMにマラドーナが出演したりして、いやがうえにも熱は上がるばかりだ。
ただ、昨年末からの経済危機で暴落したペソはとどまるところを知らず、毎日銀行前にはドルを買い求める人たちが列をなす。一人一回五百ドルまでという制限付きなので、その列を代わりに並んであげるという商売を始める人たちが出始めた。実は、その裏でそれらのアルバイトをあっせんしているのが、中国人というから商魂たくましい。
しかし、同じ東洋人の日本人は、これで迷惑を被っている。なぜならアルゼンチン人がこれを非難し始めたからだ。彼らには、日本人も中国人も同じ東洋人で、見分けがつかない。日本人にとって街を歩くのが何となく窮屈に感じてしまう。
時を同じくして、地球の両側で盛り上がる東洋人たち。日本人も韓国人も中国人も、この機会を通してもっと仲良くなってほしいものだ。どこに行ってもいがみ合う東洋人でなく、お互いが協力し合って、良い見本となれればこれ以上うれしいことはない。それがワールドカップの目的なのだろうから。