世界の街角
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タイ・バンコク在住
内藤 毅

東南アはコピー文化?

 久々にマレーシアの首都クアラルンプールに行く機会があった。マレーシアの大都市の多くは、夜になると大通りに屋台街が出現する。クアラルンプールのものは特に大きく、通り三本分に数百軒の店が密集している。

 その多くが食べ物や衣類、音楽・映像ソフト、みやげ物などを扱っている。中でも人気を集めているのが、有名アーティストのアルバムや最新映画を収めたCDやDVDだ。しかし、これらのソフトはほとんどが海賊版。こうしたコピー商品はマレーシアだけではなく、東南アジア全域に出回っている。

 タイに住んでいると、こうした現象は人々の生活の隅々まで行き渡っているのではないかと思うときがある。一例を挙げると、タイでは本屋があまりもうからず、コピー屋が繁盛している。どういうことかというと、一人が本を買うと、その友人が買った本をコピーする。また、そのコピーがコピーされて…と、本は売れないのだが、本の文章はいろいろな人に行き渡るという珍現象が発生する。

 一事が万事で、コンピューターソフトのコピーから企業アイデアの無断借用まで、「知的所有権」を声高に叫ぶ欧米人や日本人にとってみれば、まったく許せない話が横行している。

 私はなるべくコンピューターソフトも正規版を買うようにしているが、知人からはすっかり、変人扱いされている。


韓国・ソウル在住
原田 一

街に広がる「赤い悪魔」

 ワールドカップ熱が高まるとともに、「赤い悪魔」という言葉をよく耳にする。

 「赤い悪魔」とは、一九九五年十二月に結成された「大韓民国サッカー国家代表チームサポーターズクラブ」の別称である。単に競技場で熱狂的に応援する集団ではなく、本当にサッカーを愛する人々の集まりであるとうたっている。

 しかし、「悪魔」という名称について、キリスト教団体は「天使」にせよなどと批判し、街頭デモまで繰り広げた。

 「赤い悪魔」は、すでに会員数が五万人を超え、開幕直前までに十万人は集まると言われていた。しかし、ベスト8をかけた十八日の対イタリア戦では、四十五万人が赤いTシャツを着て応援、スタンドは物の見事に真っ赤に染まった。

 街の各所でも、赤いTシャツを着た人々が道を埋め尽くし、大型スクリーンを囲んでお祭り騒ぎのように応援していた。

 今では、韓国戦のない日でも、子供たちから、デートのカップルまで、みんな真っ赤に彩られている。まさに、全国民的なブームとなっている。

 応援のパターンもかなり長いものがつくられ、街角で突然だれかがそれを叫ぶと、周りにいた人たちも同調して、その場が熱狂のるつぼとなったり、道端で叫ぶとタクシーがクラクションで応えたり、一体化している。

 「赤い悪魔」は、これからもますますその勢力を拡大していくようである。


米国・ニュージャージー州在住
アンダーソン京子

スポーツに見る“異変”

 世界が熱気で盛り上がるW杯の期間中、テレビでは全試合を放映し、新聞にも毎日試合の結果が大きく取り上げられている。しかし、地球の反対側で行われているw杯の試合を見ようと思ったら、夜中になってしまう。W杯に対して国民の意識が今一つ盛り上がらない。

 米国の四大人気のスポーツはアメリカンフットボール、バスケットボール、野球、そしてアイスホッケーである。

 バスケットボールでは十二日に決勝戦が行われ、誰も期待をしていなかったチーム(ニュージャージー・ネッツ)が決勝戦まで行った。

 アイスホッケーでは、「シンデレラチーム」と呼ばれてあまり期待していなかったチーム(デトロイト・レッドウイングス)がスタンリー杯で優勝した。そして、「トーナメント最優秀選手」として、史上初めてヨーロッパ出身の選手(リッズトロム、スウェーデン出身)が賞を獲得した。

 W杯の韓国−米国戦では、韓国国民が赤いシャツを着て失神しそうになるほど応援している時に、どのくらいの人が眠らずに夜を明かして応援していただろうか? それでも1−1で引き分けた米国チームを心から称賛したい。

 最近の試合の結果を見ると、なぜか過去において弱かった者たちやマイノリティーが活躍している。大きな希望の時を迎えた気がしてならない。


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