世界の街角
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韓国・ソウル在住
原田 一

街で見る面白い日本語

 最近、ソウルの市内バスの前後には、通過ポイントの地名がハングルと漢字と英語で表示されるようになった。今まで韓国語だけだった地名が意外な漢字であるのを発見するのも楽しみの一つである。

 町中のさまざまな看板やメニュー、カタログなども日本語、英語に翻訳されているものが多く出回っている。

 それで、私にも時々、翻訳物の日本語タイピングの仕事が入ることがあるが、首をかしげるような日本語をよく目にする。韓国人が自信ありげに翻訳したようなのだが、不自然な日本語で、中には苦笑してしまうものもある。こちらで直そうとしても、受け入れられず、そのまま葛藤を感じながら打つこともしばしば。

 実際に公の目にさらされる文章でありながら、コンピューターの自動翻訳プログラムに一度かけたままのような、いい加減でこっけいなものにも出合う。今までの最高傑作(?)は、少し下品かもしれないが、明洞の町中にあった「オーグソスパゲッティ」。「オーブンスパゲティ」を間違えていたものである。

 うちの近くにあったトンカツ専門店は、「はいる」とハングルで書きながら、ひらがなは「はりる」となっていた。いつか行ってみようと思っているうちに、客が入らなかったのか、店はなくなった。

 いつもカバンにデジタルカメラを入れて歩く、きょうこのごろである。


タイ・バンコク在住
内藤 毅

水の街バンコクの今昔

 タイは熱帯雨林気候に属する。毎年五月から十一月まで続く長い雨期には、北から南まで、「堤防が決壊」「街が水びたし」「土砂崩れで何人死亡」というニュースが頻繁にテレビなどに登場する。熱帯地方の雨の恐ろしさを物語るものだ。

 都市化が進むと気象も狂うのか、近年、バンコクやその周辺での雨量は雨期でもそんなに多くない。昔は、雨期になると、毎日一、二時間はバケツをひっくり返したような雨(スコール)が降り続いたという。しかし、現在はちょっと様子が違う。

 例を挙げると、朝から曇り空で、「降るかな」と思っていても全く降らなかったり、朝から夜まで時雨程度だったりする。スコールは一週間に一、二度で、全く景気が悪い。

 しかし、雨期の名物で、昔から変わらないものが一つだけある。下水道の水はけの悪さからくる路面冠水だ。一度、大雨の後、タクシーを捕まえたのだが、車のシートの下は水びたし。運転手に聞くと、走ってきた道路は冠水のため、あちこちで交通渋滞、道は水たまりというより、大きな池のようだったという。

 市当局は洪水対策に毎年躍起になっているが、バンコクはもともと湿地帯だったため、なかなか効果は上がらない。「水の都」というのは、かつて運河・水路が発達していたバンコクの形容詞だったが、水路がなくなった今も、バンコクが「水の街」であることは確かだ。


ドイツ・ベルリン在住
富田武史

暴動が付き物のメーデー

 時々、日本の知人から、「ドイツにはネオナチがたくさんいるそうだから気をつけて。外国人は狙われやすいみたいだね」とよく警告される。だが、ドイツに数年住んで、こうした危険を感じたことは一切ない。旧東独の街では極右主義者による暴力がしばしば発生するが、旧西独では皆無に近い。

 注意を促す友人に対して、「それ以上に、極左の若者の方が手に負えない」と教えてあげる。彼らは外国人に対しては寛容だが、資本主義や民主主義を目の敵にしている。ボロ着を身にまとい、頭を赤や緑色に染め、黒くて大きな犬をつれているのが特徴だ。

 労働者の日でもあるメーデーは、無秩序な若者たちのお祭りとなってしまっている。極右団体によるデモも行われるが、彼らはけっこう静かに通りを歩くだけなのに、極左の若者は警官に暴力をふるったり、商店街の窓ガラスを壊したり、車に火をつけたりする。

 「それでは、メーデーは家を出られないね」と心配されるが、そんな心配も無用だ。デモは、左翼の若者や外国人が好んで住むベルリンの,ある限られた地域で発生している。それ以外の地域は、何事もなかったかのように静かだ。

 集会の自由の見地から、彼らのデモが許可されているが、暴動対策や後始末には莫大な人材と金額を要する。国民の税金がこれらに使われると思うと、とても残念な気持ちになる。


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