世界の街角
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韓国・ソウル在住
京谷訓浩

ゆとりある文化的生活

 私が勤務している事務所の前に、韓国の芸術の殿堂、世宗文化会館があります。ソウルの中心地である光化門の前に位置し、一九七八年にオープン、韓国独自の建築様式に現代の建築様式をミックスして設計された一風変わった建物です。約四千の観客席と五百坪の舞台を持ちます。昨年、この建物から火が出て、大変な騒ぎがありましたが、現在では修復作業も終わり、以前のように文化活動の殿堂として機能しています。

 世宗文化会館は演芸、芸術などの文化公演が目白押しです。何度か公演を鑑賞しに行きましたが、建物は威厳があります。周囲は大きな広場になっていて、逐次、野営公演が開催され、殺風景なコンクリートジャングルに花を添えます。

 最近では、四月十五日から六月七日までの期間、裏手にある噴水広場で野営公演が開催されています。昼間の食事時間だけですが、二、三百人ものサラリーマンが広場に集まり、出し物に見入っています。

 公演内容は日替わりです。韓国古来の国楽からジャズ、社交ダンス、韓国舞踊、ギターの弾き語り、バレエなど多種多様で、毎日見ても飽きないメニューです。仕事の合間に演芸を見るのも,ゆとりができてよいものですね。私も時間の許すかぎりここに足を運んでいます。

 韓国も、ゆとりのある文化的生活への関心が少しずつ広がってきているようです。


イスラエル・テルアビブ在住
野中 直

アラブ系クリスチャン

 イスラエルにはパレスチナ人がいるが、パレスチナ自治区にいるイスラエル国籍を持たないパレスチナ人と、イスラエル国内にいてイスラエル国籍を持つアラブ系イスラエル人とに分かれる。また、パレスチナ人と言っても、イスラム教徒ばかりではなく、キリスト教徒もいる。このキリスト教徒をアラブ系クリスチャンと呼んでいる。

 イスラエル領内では、ヤッフォやナザレ、ハイファなどにアラブ系クリスチャンが住んでいる。大抵、村や集落は一つの宗教で統一されている。観光地のヤッフォはユダヤ人もいるが、アラブ系クリスチャンとイスラム教徒が多くいる街である。ヤッフォにアラブ系クリスチャンの友人がいるが、実に温かく、人の良い方たちばかりである。客が来れば、食事からコーヒーまで飲まなければ帰さないという徹底ぶりだ。

 アラブ系クリスチャンにとって、このイスラエルの状況は複雑だ。アラブ人でありながら、どちらにつくこともできない。あるアラブ系クリスチャンの友人は米大使館のパレスチナ支援部に勤めているが、毎年かなりの額の支援をパレスチナ側にしながらも、イスラエル政府の強硬政策に影響され、支援が滞り気味だそうだ。その立場の微妙さに頭を痛めていた。

 彼らは毎日神に向かって闘争の終結を祈るしか方法がない。闘争に終わりがこなければ、自由も本当の発展もないのが、今のイスラエルの現実だ。


ウルグアイ・モンテビデオ在住
堀本幸伸

物ごいのタイプいろいろ

 ウルグアイではいろいろな場面で物ごいに出会います。そして、物ごいにもいろいろなタイプがいます。

 信号のある交差点によく現れるのは、子供や若者がほとんどです。若者の場合、窓ふきの道具を持って待ち構えています。車が信号で止まると「窓をふくからお金をちょうだい」と言ってきます。それを断ると「一ペ  ソちょうだい」と言ってきます。しつこいのは、無理やり窓をふいてお金を請求してきます。

 最近では、窓ふきの若者に交じって、道化師の格好をして、ボールやバトンを使ってなにやら誰にでもできるような芸を見せて、お金をもらおうとする者も現れました。若者の場合はそれなりの芸になっていますが、それをまねて子供たちが全く芸にならないことをやりながらお金をせびってきます。

 また、子供や幼児を連れた母親の物ごいもいます。彼らのほとんどは、信号待ちの自動車に向かって、「お金をください」と言って回るだけです。

 私が一番驚いたのは、住宅街を一軒一軒訪ねて歩く物ごいです。何か用でもあるかのように、正面からベルを鳴らしてきます。そして食べ物とか洋服とかをねだります。なかには断った後、便所を貸してくれと言う人もいます。断ると非常にびっくりした様子で帰っていきます。

 彼らに共通していることは、物やお金をもらうことが当たり前だと思っていることです。


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