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南ア共和国・ヨハネスブルク在住 長野康彦
感銘与えた妻の交渉術
ある朝、急にトイレの水が流れなくなった。どうも下水管が詰まったらしい。汚水がこぼれるところだったが、すんでのところで止まり、ホッとした。
私の住まいは、都合百件ほどの集合住宅の一棟。聞けば隣近所数棟でも、二週間ほど前から同じ問題が起きていたが、建物を管理する不動産会社にいくら電話をしても、全く取り合ってくれないという。
事態は急を要するので、早速、不動産屋に電話して建物のメンテナンス担当者を呼び出す。しかし応対に出た女性は折り返し電話すると言うだけで、全くラチがあかない。
この国では「折り返し電話する」と言って実際かかってきたためしがない。客商売の大会社でもそうだ。
気の短いわが妻は、不動産屋の対応に相当頭に来たらしく、電話で職員を怒鳴りつけ、どぎつい言葉を並びたてながら、責任者を呼び出し、直接対応を迫った。
その日のうちに配水管工事の作業員が来たから、まあ、不動産屋の対応は迅速だったと評価できる。二週間も不自由な生活を強いられてきた近所の人々は大喜び。「すごい」「感銘を受けた」とわが妻を持ち上げた。
アジアから来た外国人が地元住民に感謝されるというのも、そうそうあることではなかろうが、とにかくこの国では相手に強烈な印象を与えた方が、なにかと物事はうまくいくようだ。
モンゴル・ウランバートル市在住 加藤誠也
週末の仕事は“重労働”
日本では、今年から学校が完全週休二日制になり話題となっていると聞く。モンゴルでは九〇年代後半から、学校・仕事場などは完全週休二日制となった。
週休二日制にするまで、数年間の準備期間を設けた日本と違い、モンゴルでは、政府が週休二日制を決定すると、数週間で実施に移された。昨年から導入された夏時間にしても,政府が決定してから、わずか一週間で実施され、実行の早さに驚いたものだった。
週休二日制の実行は徹底しており、土曜日や日曜日に事務所に行こうとしても、その事務所のあるビル自体が門を閉じ、入れないようになっている。どうしても仕事をする必要があるときは、ビルの守衛に説明し、何とか入れてもらう。
筆者の事務所があるビルは、幸いに週末だからといって入れないことはない。しかし問題はエレベーターが動かないことだ。土曜・日曜は働かないことが原則なので、エレベーターも休み。それでも事務所が三階・四階ぐらいならいい。わが事務所は十一階。非常階段を使って、十一階まで歩いて上る。いい運動と受け取ることもできるが、結構な重労働で、事務所到着後、一休みしてから仕事を始めることになる。
こんな状況だから、週末に事務所に行くには、少しばかり決意が必要だ。モンゴル人と同じように週末は完全休養。そうするのがいいのかもしれない。
韓国・ソウル在住 竹井弘樹
自然分娩願う女性増加
韓国の出産事情についてリポートしたい。韓国の統計庁によれば、一人の女性が一生の間に産む子供の数は、一九七〇年の四・五三人から、二〇〇〇年一・四七人と減少し、二〇三〇年には一・三九人に落ちこむと予想している。
このような出生率の低下にもかかわらず、韓国は、家系を重視する父系社会で、男児を望む家が多い。そのために妊娠の性別鑑定を法で禁止している。理由は、女の子とわかると中絶してしまうことが多いためだ。
また、韓国は帝王切開手術をよく行うことでも知られている。二〇〇〇年のデータによると、韓国の妊婦中、帝王切開手術で出産した産婦は43%で、世界保健機関(WHO)が推奨する帝王切開率10%台に比べて四倍にもなり、国際的に見てとても高い数値である。
帝王切開が、妊婦にも赤ちゃんにも、よくないことがわかっていても、帝王切開率が高いのは、医者の懐を肥やすためである。自然分娩だと、早い病院では翌日、遅くとも二泊三日で退院するのが普通だ。そのため、帝王切開すれば、最低でも一週間は入院しなければならないので、理由をつけては帝王切開をすすめるというわけだ。
出産に対する意識に少し変化が見え、最近では、自然分娩を願う女性たちが増加している。しかし、男児を望む傾向はまだ根強く、この意識転換には時間がかかりそうだ。

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