世界の街角
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エジプト・カイロ在住
鈴木眞吉

時間感覚マイナスの国

 日本も地方に行けば〇〇時間と言って、のんびりした田舎の時間感覚の所もあり、一概に時間にルーズな外国人を批判できないが、ここエジプトは「時間感覚ゼロ」どころか「マイナス」の国で、日本人からすると、いつもだまされているという感覚に陥ってしまう。

 何度注意しても直らないのは“体質”だからだろう。オペラハウスのコンサートなどに招待しても、一時間遅れで静かな演奏中にドカドカと会場に入り込み、すました顔をしているという礼儀知らずなことをする。しかも遅く来ていながら、何で演奏時間が短いのかと怒っている姿を見ると、あ然として声も出ない。

 先日、ある教授のインタビューに出かけるため、教授を紹介してくれた女性と待ち合わせをし、午前十一時にホテルのロビーで会うことになった。少々不安だったので、「教授とは何時に待ち合わせたのか」と聞いたら、「十一時よ」といとも簡単に当然という風情で答えた。待ち合わせ場所から少なくとも二、三十分はかかる所に行くのに、教授との待ち合わせ時間を、われわれとの待ち合わせ時間にするという考え方をしている。しかも彼女は常に三十分前後遅れて来るのだから、教授の家に着くのは、一時間近く遅れることになる。

 ここらの時間を計算しないことに気付いたのは最近だが、やっとの思いで新発見した喜びに似たものがあった。


韓国・ソウル在住
竹井弘樹

歩きにくいソウルの道

 「ソウルの街の道路は、歩きにくい」という声を何度か聞いたことがある。道や歩道は、日本の東京などに比べると、わりと広くつくられている方だが、歩道への違法駐車や違法看板、露天商の乱立、昼間のゴミだしなどのため、自転車や人がまっすぐ歩くことができず、道路にはみ出して歩かざるを得ないところも多く、安全面で問題が多い。

 また、すこし目線をあげ、あたりを見回すと、建物の側面いっぱいに大小さまざまな形の看板がすきまなくすえつけられていたり、看板が大きすぎて道に落ちてこないかと思われるもの、周辺の雰囲気に全く調和していない色づかいの看板も目につき、安全面や美観を損ねている。

 ニュースで看板製造者へのインタビューを見たことがあるが、客が大きいもの、目につくものを好んで注文するため、仕方なく作っているということだった。

 こうした看板や道路の美観や安全の問題は社会問題としてとりあげられて久しく、ソウル市などでも対策をとってはいるものの、一向に効果があがっていない。

 韓国の場合、違法なコピーソフトの取り締まりや、公衆トイレの改善が外からの圧力で実行されたように、外部からの指摘で一挙に改善される傾向がある。韓国に訪れた人たちが積極的にネットなどをつかって市やメディアに働きかければ、この問題も早期に解決できるのではないかと思われてならない。


モンゴル・ウランバートル市在住
加藤誠也

なくならない「女性の日」

 モンゴルには「女性の日」がある。いや、正確に言えば「あった」。三月八日の「国際婦人デー」をモンゴルでは「女性の日」として数十年来祝い続け、かつては国民の祝日(休日)だった。しかし、この日、女性たちの宴会があまりにもにぎやかで、酔っ払いが増え、社会風紀が乱れるなどの理由から九〇年代半ばごろ、当時の政府は「女性の日」をなくした。

 今、モンゴルのカレンダーを見れば「国際婦人デー」と表記されている。しかし、今でも女性たちは、この日を自ら休日にしたり、仕事を早退したりする。そして、夜はバーやディスコに繰り出し、エンジョイする。

 男性は女性に花などをプレゼントするのが慣例だ。筆者も「家内に花を」と思い、この日花屋に向かった。ところが、道路はいつになく渋滞。冗談半分に「みんな花屋に向かっているのでは」と思っていたら、本当にそうだった。花屋の前は、乱雑に駐車された車と人だかりでごった返していた。交通整理の警官まで駆り出されていた。

 あまりの混雑に圧倒され、他の花屋に出向いたが、状況は同じ。強引に割り込むか、素直に二時間ぐらい並んで待つしか方法はなさそうだった。筆者は結局あきらめ、ケーキを買った。

 この日はどこへ行っても人だかり。他のどんな休日よりにぎやかだ。なくしてもなくならない「女性の日」。モンゴルの女性は元気で強い。


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