世界の街角
navix
email

韓国・ソウル市在住
京谷訓浩

医薬分業、結果は失敗

 今月になって、医療保険の金額が突然上がりました。人によっては、倍額の請求が来たそうです。来月は、さらに9%もの保険料引き上げがなされます。

 この保険料高騰の原因は、政府の医療財政の失敗と分析する人が圧倒的です。年末に発表された白書によると、昨年の健康保険の財政赤字は一兆八千六百二十七億eにも及ぶというから驚きです。医薬分業が始まってすでに一年半がすぎましたが、当時は何の問題もなかった健康保険の財政ですから、医薬分業が諸悪の原因だということは、だれの目にも明らかです。

 政府は医薬分業と保険財政統合をすれば、薬剤費用が減り、国民の負担が減少し、薬品の乱用が減り、国民が健康になるなど、保険財政の健全化が同時に実現すると断言しましたが、結果は大赤字と、患者には不便、一部の開業医と薬局へ富が集中、減るはずの薬の使用量は一向に減らないなど、何ともいえないお粗末さです。

 さらに頭が痛いことには、政府が発表した統計によると、サラリーマンの平均の実質可処分所得が九七年の二百万七千四百eから、昨年の百九十一万二千六百eへと目減りし、公共料金や教育費が過去四年間に20%も上昇したということです。これでは、うかうかと病院にも行っていられません。家族に病気やけがなど、何もないようにと神様に祈願するしか道がないのでしょうか?


イスラエル・テルアビブ在住
野中 直

契約が支配する“社会”

 私は当初、イスラエルはざっくばらんなところで、たいていのことは押し通せるものと思っていた。ところが実際に社会に深く入り込んでみると、すべては契約が支配する社会であり,その徹底ぶりに驚くことがある。

 例えば査証の問題。外国人にとってビザは必須だが、一種類でも書類がそろっていないと、いくら頑張ってもビザは出ない。ところが書類の数がそろってさえいれば、不思議なくらいに早くビザをもらえる。

 アパートの契約なども厳しい。保証人も二人は必ずいるが、契約書一枚一枚に本人と家主と保証人と弁護士のサインを書き込まなければいけない。これがビジネス、取引となれば、契約は更に厳格なものとなる。

 イスラエルでそういった契約社会が受け入れられるのは、もともとユダヤ教が律法を重んじていたからではないだろうか。ユダヤ教には安息日、食事規定などうんざりするほど律法が多い。それら律法を守ってきた彼らにとっては契約書を書く、作るということは当たり前のことなのかもしれない。

 ところが契約をするということと、約束を守るということはどうも別物らしい。決まった契約もその実現が難しければ、新たな契約によって抜け道を見つけだしていく。こちらは外国人なので慣れていないから振り回されてしまう。いずれにしても、日本的感覚でやっていたのでは生きていけないようだ。


ウルグアイ・モンテビデオ在住
堀本幸伸

アルゼンチン危機の影響

 ウルグアイの国家収入の半分は、夏の観光シーズンに海外の観光客が落としていく観光収益です。その最も重要な街が、プンタデルエステです。

 この街は半島になっていて、ラプラタ川の河口にあり、半島の半分は川側、反対の半分は大西洋側になっており、川と海の二面性を持った観光地として、毎年この時期になると観光客でにぎわいます。

 どれほどのにぎわいかと言えば、街の人口がシーズンオフの約十倍に膨れ上がるそうです。 そして、観光客の80%以上がアルゼンチン人です。その多くは、この街にコンドミニアムか別荘を持っており、そこで生活をします。持っていない人でも、ホテルではなくコンドミニアムや別荘をレンタルして長期滞在の休暇を楽しみます。

 しかし、今年は様子が違います。観光客が例年の半分ほどしかウルグアイに来ていないのです。それもそのはず、隣国のアルゼンチンは経済危機に陥り、自分の貯金ですら満足に引き出せない状況ですから、ウルグアイへ休暇を楽しみに来るどころではないのです。アルゼンチンの観光客に依存していたウルグアイの観光は、ここに来て初めてその危険性に気づきました。

 さらに、アルゼンチンが経済危機に陥った経過を見ていますと、ウルグアイにも多々当てはまる部分があり、非常に苦慮されるところです。


HOMEBACK