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エジプト・カイロ在住 鈴木眞吉
砂浜の日光浴に幸福感
エジプト元日の初日の出の撮影を、今年は海で水平線から昇るものをと考え、シナイ半島最南端のリゾート地シャルムエルシェイクに向かった。残念ながら東の方角にはアラビア半島が横たわり、海から直接昇る太陽は撮影できなかったが、代わりにビーチに顔を出す初日の出を撮影した。
シャルムエルシェイクは夏より冬がシーズンだと聞いていたので、初泳ぎをと思い、浮き板を持って、昼過ぎに勇んで出かけた。しかし太陽はさんさんと輝いているのに、水温はやや低く、風が吹くと寒さが身にしみて、長居ができないことに気付いた。
やはり冬だなあと実感させられる。でも砂浜に上がると陽光は暖かく、海水浴ではなく日光浴には最適の環境であることがわかった。海外から来た欧米人たちがのんびりと読書と日光浴にふける様子や、鳥がさえずり、時には鶴が舞い降りて浜辺の魚をくちばしにくわえている姿などに接すると、平和なのどかさを存分に味わえる。
フィリピンなどのリゾート地でイスラム過激派組織が観光客を襲って人質にした話はよく聞くが、貴重な休暇を使ってはるばる海外から来て楽しむ庶民のひと時の幸福感を破壊する権利は彼らにはない。時代が時代だけに、ここにも過激派が来る可能性を考えざるを得ないほど不幸な時代になってしまったことが嘆かわしい。
韓国・京畿道九里市在住 志田康彦
健康志向で菜食ブーム
先日、韓国の某テレビ放送局で放映した「チャルモッコ チャルサヌンポブ」という番組がちまたのちょっとした話題になっている。直訳すれば“よく食べてよく生きる法”という意味のこの番組は、肉食やインスタント食品がいかに体によくないかを実例を基に紹介する番組だった。
私はこの番組を見なかったのだが、放送翌日に妻や上司から番組の内容について大体の内容を聞かされた。「ラーメンは体によくない」「牛乳は東洋人の体質にあわない食品だ」「白米は全然栄養がない」等々。
番組が放送されてから,庶民の肉類消費量が40%減ったという新聞記事を目にしたが、ちょっとした菜食シンドロームを呼び起こしている。
韓国に来てから「よく食べなさい」「ちゃんと食べなさい」「たくさん食べなさい」という話をよく聞いたものだが、それだけ社会が貧しかったせいか、今までは何でもたくさん食べることが体に良いことと考えられてきた風潮がある。
しかし、韓国の社会も飽食の時代に入り、インスタント食品やファストフードが好まれるようになってから、食べることに対する考え方が変わってきたようだ。昨年は韓国全体で十五兆億e(一兆五千億円)が残飯として捨てられたというが、こういう飽食の時代にこの番組は韓国人にとってちょっとした衝撃だったのだろう。
アルゼンチン・ブエノスアイレス在住 江頭利将
良い手本待望する民衆
アルゼンチンの人たちは、新年を喜びで迎えることができなかった。世界中を驚かせた政変ゆえだ。今人々は、明確な方向性を示せない政府、腐敗した政治家たちに疲れ果て、もっと潔白な清い政治を行える指導者を求めている。
そんな中、先日タクシーに乗った。運転手は「商売あがったりだ」とぼやきながら私にあいさつした。そして、私に「日本人か?」と聞いてきた。私が「そうだ」とうなずくと、彼は真剣な面もちで質問してきた。
「日本には人生のお手本となるような人や象徴があるんだってな?」と言う。質問の意図が分からないまま黙っていると、彼は続けて「アルゼンチンには、良いお手本がないんだ。すべてが悪い手本となっている。特に政治家は盗人、うそつきだ」、「日本には良い手本となる存在があると聞いた。うらやましいよ」と言った。確かに振り返ってみると、私も幼いころから二宮金次郎などの銅像を見ては、知らずのうちに教訓を得ていたものだ。
アルゼンチンが抱えるすべての問題の原因は、まさしくこの一言で語れるのではないかと思った。経済政策に、国際関係にと人々は原因を求めるかもしれないが、アルゼンチンの苦しみは、まさしくここにあるのだ。親が親として、人生の先輩が先輩として、お手本となれていないところに、彼らの苦しみはあるのだとそう実感した。

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