世界の街角
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韓国・ソウル市在住
京谷訓浩

“不夜城”の東大門市場

 東京・渋谷にもソウルの東大門市場がお目見えしたとか伝え聞きます。今回は、本家本元の東大門市場について紹介します。

 この東大門市場は、昼と夜の顔があって、客層も全然違います。昼間は、日本人など外国人の買い物客でにぎわっています。店舗の従業員も巧みな英語や日本語を駆使して客引きに暇がありません。

 しかし、夜になると、状況ががらっと変わります。夜は、次の日の早朝まで電灯がつき、昼間よりむしろ人が多いようです。駐車場も三十分待ちで入れればいいほうで、一時間ぐらいかかるときもあります。出るときも結構一苦労します。

 客層は二十代から五十代までと幅広く、女性がほとんどで男性はまばらです。男性は、女性の付き添いといった感じです。

 なぜ、こんな状況なのか、現地の人に聞いてみると、昼間は普通の小売店で、深夜は韓国全土の衣料品店から仕入れに来る卸売り市場に変貌するためだそうです。つまり、深夜に東大門市場にくると、ただでさえ安いのに、さらに二〜三割安く買えるのです。

 ちなみに、私も先日深夜の東大門市場に繰り出して、普段なら四万円ほどする三ピースのスーツを一万円であつらえました。ただ、安いからといって外国人が深夜にうろつくのも危険だと思いますので、お勧めできるものではありません。


イスラエル・テルアビブ在住
野中 直

少雨、水の備蓄に苦心

 エルサレムは山の上にあるが、街の端に立って周囲を見回すと広範囲にわたって砂漠が延々と続いているのが見える。その砂漠も平面ではなく山であり、何の木も生えていない砂の山が果てしなく続く。

 砂漠との接点に立つと面白いことに気づく。山頂一帯は木が生い茂っているのだが、そこから突然木の一本も生えていない斜面になる。そこが砂漠の始まりでもある。

 砂漠とそうでない所の違いは何だろうか。それは山上の木が生えている所までは雨が降るが,そこから先は雨が降らない差である。地形的要素が大きいが、不思議な現象である。

 イスラエルは雨が少ない地域であり、毎年水不足に悩まされている。ガリラヤ湖から吸水しているものの、毎年干上がっていくばかりだ。そういう意味ではこういった雨の降る山上ではいかに水を受け取るか、またいかに雨を降らせるかということに苦心してきたのである。

 雨雲がやってきてもなかなか雨が降らない場合は、飛行機で雨雲の上空へ行き、銀色の化学物質を雲にまいて雨を降らせていると聞いた。また、地上から特殊な煙をたいて雨雲を刺激する方法も使われているという。マサダの遺跡などはその水をため込むシステムも素晴らしい。砂漠に住む民族のその苦労は計り知れない。

 洪水や台風の被害をいかに避けようかと考えている日本とは大きな差がある。


エジプト・カイロ在住
鈴木眞吉

ラマダンは楽しい期間

 十一月十六日からイスラム暦の断食月(ラマダン)に入った。一カ月間、日の出から日没まで一切の飲食を絶つのだ。

 異教徒から見れば、断食は苦しく、信仰上仕方なく無理してやっているのではないかと思いがちだが、これは間違った見方で、イスラム教徒たちはこれほど楽しい時はないという感覚で、心の底から喜んでいる。

 その理由を何人かに聞いてみた。第一は、断食を通し、過去の罪が許されることがうれしいのだという。日常生活で良心のかしゃくに責めさいなまれてきたことがきれいに清算され、これほどすがすがしいことはないと、目を輝かせて語る姿に、ある種の感動さえ伝わってくる。

 第二は、日常の忙しさに紛れてできなかったコーランを読むことや、祈りをささげること、礼拝で説教を聴くことなど神と交わる時間をたくさんもてるうれしさだ。

 第三は、懐かしい友人や親戚が交流し合い、一緒に断食明けの食事をして語らうひと時をもてるうれしさだ。食後から翌朝までほとんど眠らず、会話やゲームを楽しむ。

 第四は、貧しい人への喜捨や隣人への善意などを通じ、心が高まり慈愛と一体感が感じられることだ。また、世界中のイスラム教徒が一斉に断食し、食事するという一体感が何よりもうれしいのだと語る人も多い。

 ラマダンがイスラム教徒をよみがえらせている。


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