世界の街角
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ウルグアイ・モンテビデオ在住
堀本幸伸

面倒な手続き「婚姻届」

 ウルグアイで婚姻届を出すのは、非常に面倒な手続きを経なければなりません。

 まず、婚姻届を出す二人は、市民戸籍登録課という役所へそれぞれの証人を三人ずつ連れていきます。そこで、作成される書類は婚姻届申込書です。もちろん、申込金を支払います。

 その後、この書類を、本人が市役所へ持っていき、役所発行の国勢新聞に、二人の結婚の宣言を出します。ここでも、所定の料金を支払います。

 これは、もし、二人のどちらかがすでにどこかで結婚していたり、以前の離婚の手続き上何か問題が残っていないか−などの内容を公の新聞紙上で世間に確認するためなのです。

 そして、一週間後に本人が市役所へ出向き、当人たちの記事が掲載された新聞を受け取り、それを市民戸籍登録課へ提出します。

 そのときに戸籍登録の日が指定されます。新聞を提出してから一カ月後ぐらいです。その指定日に、もう一度本人たちとともに証人が市民戸籍登録課へ出向き、役人立ち会いの下で婚姻の書類にそれぞれ署名します。

 これで婚姻届が終了します。スムーズに事が運んだとしても一カ月以上かかります。ひどいときには市民戸籍登録課が無期限ストに入り、婚姻届を提出できない場合もあります。

 この登録がすんだ後、初めて教会での結婚式を執り行うことができるのです。


南ア共和国・ヨハネスブルク在住
長野康彦

融通が利く黒人の係官

 日本から十数人の観光客が南アフリカに来るということで、こちらに住む日本人の友人がガイド兼通訳をし、彼らの応対にあたった。

 その友人は南ア在住十数年で、この国のことなら何でも知っている、自他ともに認める南アフリカのエキスパートだ。

 観光客の一人が彼の知人で、滞在中お世話になるお礼として、日本の最新式卓上液晶型パソコンを持参した。しかしパソコンの大きな箱は当然目立つもの。案の定、空港の税関に止められ、税金を払えということになった。南アフリカでは観光客が持参したプレゼントや個人の所持品までにも関税をかけられてしまう。もちろん、運良く税関の係員に止められなければ、払う必要はない。

 日本からの来訪者は英語もままならないので、迎え口で待っていた友人が呼ばれ、税関係員と応対した。

 「いくら払うの?」「そんなに払えるかよ」「お前ら意地汚いな」と交渉が続いた後、本来なら数百ドル払うべきところを百ドルで決着がついたそうである。もちろん、そのお金はその税関係員のポケット行きだ。

 「白人の係員だったらこうはいかない。彼らは結構厳しいからな。黒人だからうまくいったのさ」とわが友人。民主化後、失業・貧困を背景とした黒人貧困層の犯罪が増える中ではあるが、「融通が利く」−という点では黒人の係官であったのが幸いした。


米国・ニュージャージー州在住
アンダーソン京子

目に見えない戦場の恐怖

 炭疽(たんそ、英語でAnthrax)菌という言葉が日常用語になった。炭疽菌の新たな被害者の報道が毎日流れる。多くの人が「炭疽菌」という言葉さえ知らなかった。最初にこの言葉を聞いた時,米国鉄道会社の「アムトラック」と勘違いもした。音楽にうとい私は、今回の事件でロックグループの「アンスラックス」の存在まで知った。

 米国は目に見えない戦場に変わった。人々はいつ襲われるか分からない恐怖を抱くようになった。「郵便物の安全の保障はしない」との宣言を郵便局が出した。郵便局員は抗生物質を飲み、手袋をして仕事を行う。大手企業の郵便物取扱所では手袋、時にはマスクもする。そして家庭でも、郵便物の取り扱い後は手を洗うよう奨励される。

 最近は食物にも細菌をまかれる可能性があるとして、野菜なども皮をむける物を購入、非常事態に備えて、非常用品の準備も奨励されている。

 子供たちの大好きなハロウィーン(十月三十一日)。インターネットや口聞きでまことしやかな話が行き交った。アラブ出身のボーイフレンドが十月十日に突然姿を消した。しかし、仲のよかった彼女にだけメモを残していた。「九月十一日は飛行機に乗るな。そして、ハロウィーンにはモールに行くな」と。いつもは仮装した子供たちでにぎわうモールも、今回はだれもが緊張気味だった。


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