|
米国・ニュージャージー州在住 アンダーソン京子
文明社会の盲点“電力”
今年の夏は気温が高くても、乾燥して過ごしやすいものと思っていた。しかし、八月の二週目に入ると、急に暑さが増し、人間社会と猛暑との闘いが繰り広げられた。ピークは九日で、ニュージャージー州ニューアーク市ではカ氏一〇五度(セ氏四〇・六度)の史上最高を記録した。ニューヨーク市でもカ氏一〇三度(セ氏三九・四度)まで上がった。
最近、電力不足がカリフォルニア州で大きく問題になっている。そして、それはニューヨーク州、ニュージャージー州でも大きな問題として取り上げられている。電力の需要量が供給量よりも大幅に上回ることが懸念されている。気温が上がると電力使用量が増えるため、九日は、ニューヨークのビジネスオフィスでは午後二時に閉鎖が呼びかけられた。
ラジオやテレビでは、小さい子供やお年寄りは昼間の外出を控えるよう呼びかけ、家庭の電気も最低限の使用を呼びかけた。それでも、ニュージャージー州の数カ所の地域では停電が発生し、暑い夏の夜を電気なしで過ごした人たちがたくさんいた。
文明が発達した分、電気がないと何もできない。特にオフィスでは電話、コンピューター、計算機、エレベーターなど、仕事に必要不可欠な物がすべて停止し、まさしく「陸の孤島」と化してしまう。文明社会の盲点と恐ろしさを見た思いがした。
ウルグアイ・モンテビデオ在住 堀本幸伸
ウルグアイの医療制度
ウルグアイでは、国民健康保険に当たる制度がありません。もちろん社会保障の形で全国民が国立病院で医療を受けられますが、結局、国の経済悪化で税収が激減し、破滅状態です。建前上は現在でもこのシステムは存在しています。
そこで、国に代わって医療の責任を負っているのが私設の保険会社です。保険会社といっても、生命保険ではなく健康保険会社です。
この保険会社が病院を経営しており、個人が保険会社と契約することによって、その病院で診察を受けることができます。従って、どの病院でも診てもらえる日本のシステムとは違って、特定の契約のある病院でしか診察してもらえません。
病院は統合され、巨大な大学病院のような感じになります。特に定期検診など、掛かり付けの医者に診てもらうためには、医者ごとに予約を受け付ける日が毎月あるので、その日に一カ月分の予約を取ります。しかも、その医者が当番で来るのは一週間に三日ぐらいです。
ですから、自分の都合の良いときに診てもらいたい場合、予約受付日の朝一番に電話をかけないといけません。電話をするのが遅かったり、うっかり忘れたりすると、その月は診察してもらえないことになります。
それでは、急な発熱はどうするの?ということになりますが、それは急患ということで別の窓口があります。
韓国・京畿道九里市在住 志田康彦
味覚の壁も努力で克服
夏休みに妻の弟が住む香川県へ遊びに行った。彼は日本に住み始めて三年になる。韓国料理が恋しいだろうと思い、お土産にキムチと蔘鶏湯用の鶏をアイスクーラーに入れて持っていった。彼は蔘鶏湯を食べながら、「久しぶりにご飯を食べたような気がする」と満足していたが、日本人の奥さんが横でにらんでいたのに気がつき、「あ、そういうことではなく…」と言い訳をしていた。
日本人も長らく外国に住んでいると、おいしいすしやラーメンが食べたいと思うものだが、韓国人は日本人よりも食べ物に対してはうるさい。一週間ぐらいの旅行に、キムチやカップラーメン、唐辛子みそなどを持参する人がいるとも聞く。特に日本料理に対しては、ヌッキハダ(油っこい)という人が多く、日本人がおいしく感じる生ラーメンも味があわない。あのギトギトした油っこさが苦手なのだ。
私も最近、日本料理を食べると油っこいと感じることがあり、味覚が韓国ナイズされたかなと思う時がある。逆に、妻や子供たちは、私の大好物である納豆や梅干しが平気で食べられるようになった。「最初はだめだったが、少しずつ食べているうちにおいしさがわかるようになった」と、妻は言う。
幼いときの味覚は一生ついて回るが、味覚もまた努力すれば超えられるものだと感じた。

|