世界の街角
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南ア共和国・ヨハネスブルク在住
長野康彦

気が気でない引っ越し

 先月、一年五カ月暮らしたアパートから引っ越した。家財道具は多くはないのだが、自分で車を借りて重たい家具を積んで、となると大変なので、業者に頼むことにした。

 予約は七月某日の午後一時。時間前になって業者から電話が入り、一時間遅れるとのこと。ここはアフリカ、まあ一時間くらいならどうってことないな、と思いながら待つことにした。

 ところが二時半まで待っても来ないので,電話を入れると、事務所のおじさんは「まだ来ないのか?」と驚いた様子。「すぐにドライバーと連絡をとって折り返し連絡する」と言い、電話を切る。のちに入った連絡では三時過ぎになるという。

 時は刻々と過ぎゆき、とうとう四時。七月、冬の南アフリカは日が暮れるのが早い。一体どうなってるの、とあきれていたころ、ようやく男衆が到着。とにかく急げ、ということで荷物をガバーッとトラックに積んで新居へ。しかし道路は折しもラッシュアワー。辺りは暗いし、私の車の後ろを来るはずのトラックが途中から見えないではないか。とにかく相手を信じて、一足先に新居で待つことにした。

 しかし、夜も八時になろうとするのに来ない。これはひょっとして、荷物丸ごとトンズラか…と落ち込みかけたときブザーが鳴った。ホッ。遅くはなったが、とにかく荷物が無事に届いたことを神に感謝した。


ドイツ・ベルリン在住
富田武史

視聴者の“ストライキ”

 サッカー大国のドイツで現在、サッカー番組中継をめぐって大きな混乱が起きている。

 ドイツサッカー一部リーグ「ブンデスリーガ」の全試合の放映権を握るのは複数の民放チャンネルを保有するキルヒ財閥。同財閥は、有料放送のプレミアワールドというチャンネルを保有しており、そこで全試合を中継している。だが、視聴料と受信セットの値段の高さがネックとなり、普及していない。

 キルヒ・グループのSAT1局では、土曜日の試合後にサッカーダイジェスト番組を放映している。試合終了時刻は夕方五時半で、昨年までの放映時間は六時半からだった。ところが、今年から放映時間をドイツではゴールデンタイムとされる夕方八時十五分からにした。これが国民の混乱と反感を招いた。

 この影響で、国営局の八時のニュースでは多くて二試合が見られるだけで、他局では試合結果の報告のみ。SAT1局の六時半からのニュースですら、ゴールの場面は全く流れない。これでは、全く国民をばかにしているとしか思えない。

 こうした、キルヒ・グループの独断は国民から総スカンを食らった。シュレーダー首相までも、いままで楽しみにしていた放送時間がずれ込んだことに不満を表明した。

 こうして最終的に行き着いたのは放映時間の見直し。頑固な巨大メディアのキルヒ・グループも、国民の抵抗には屈したようだ。


韓国・ソウル特別市在住
竹井弘樹

日本と違う「霊前を祭る」

 霊前を祭る方法は、日本と韓国では多くの差がある。今回はその一部を紹介したい。

 韓国では、祭祀(ジェサ)といって日本でいう法事のようなものがある。祭祀は、墓地で行うものと家庭で行うものと二つに分かれており、家庭で行うものには、故人の命日(四代前までの先祖の命日)の忌祭祀(ギジェサ)と元日(旧一月一日)や秋夕(旧八月十五日)に行う茶礼(チャレイ)がある。

 私も共同墓地で行う祭祀に参加したことがあるが、墓の前に敷物を敷き,準備してきた料理を故人の霊前に供えて礼拝(らいはい)を行い、その後、持ってきた料理を食べる。家族だんらんで行われるのが印象的であった。

 墓地全体の雰囲気も明るい。土を小山のように盛り土した墓で、まわりは丈の短い芝生のような草で覆われているため、そう感じたのかもしれない。こちらの埋葬方法は、墓地不足のため火葬も最近は増加しているようだが、土葬が主流。火葬をしないのは、死んだ上にさらにもう一度死ぬという考えがまだ根強いためだ。

 霊前の崇拝に関しては、最近は考え方や宗教の違いなどから、これを行わないところもあり、私が行った共同墓地でも、だれも訪れず手入れがなされていない墓がいくつかあった。それをみると、韓国の良いものが失われているようで、なぜか心寂しいものを感じた。


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