世界の街角
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韓国・京畿道九里市在住
志田康彦

歴史教科書問題に思う

 日本の新しい歴史教科書が日韓間の国際問題になっている。韓国に住んで十二年になるが、正直なところ「またか」という思いである。

 戦後、日本は過去の歴史に対して歴代首相が八回も謝罪表明をしたが、その一方で近隣諸国の反発を買うような閣僚の言動などで物議をかもしてきた。

 韓国側が歴史教科書にある「歴史のわい曲」に対して問題提起する背景には、政権維持のための政略であるとの見方もあるが、それを論じる前に、われわれ日本人が知っておかなければならないことがひとつある。

 それは、日本の植民地下で苦しんできた人々が韓国にはまだたくさんいることだ。また韓国は、そういう犠牲になってきた人々の子孫が住んでいる国なのだということを、はっきりと知らなければならない。

 日本人の中には、歴史教科書をなぜ問題視するのか分からない人がたくさんいると聞いた。それは自分や肉親が被害を受けてこなかったから分からないのだと思う。昔、親しい看板屋のおじさんがある日、日本統治時代に拷問された話を語ってくれた。いつもの柔和さは消え、険しい顔であったことを思い出す。

 意見の相違する歴史の事実に対しては、今後も研究がなされるべきだ。しかし、それ以前に韓国人の心に潜在する感情を理解しなくては、いつになっても「近くて遠い国」の付き合いしかできないのではないだろうか。


イスラエル・テルアビブ在住
野中 直

頑丈なイスラエルの鍵

 イスラエルではドアのセキュリティーが厳重である。政情不安ということもあるかもしれないが、「かぎ」に関してはとても神経を使っている。

 一般の家ではドアには通常二種類のかぎ穴がある。違ったタイプのかぎを準備し、万が一の事態に備えている。それぞれのかぎはしっかりしたものなので、泥棒も二種類のかぎに対応するのは大変だろう。面白いのはノブが全く動かないドアがあることである。ノブを回すのではなく、かぎを回してしかドアを開けられないのはユニークな仕組みだと思う。

 また、アパートでは一階の入り口にインターホンがついており、住人は訪問客が知り合いであることを確認した上で、リモート操作で一階の入り口のかぎを開ける。つまり玄関に至るまでには三種類のかぎを通過しなければいけないことになる。

 このようにかぎの種類が多い半面、トラブルも多い。家にかぎを忘れたまま外出した場合などは目も当てられない。しかし,イスラエルにはかぎ屋の職業があり、そこに連絡すれば、すぐさま問題を解決してくれる。

 このようなイスラエルのかぎが、最近は日本に輸出されているらしい。かぎはかぎ穴とともに輸出され、これを使用するドアは相当頑丈で破りにくいドアになるだろう。毎日泥棒におびえる方には、イスラエル製のかぎを二種類ドアにつけられることをお勧めする。

(野中直・テルアビブ在住)

米国・ワシントン在住
立川直道

米国の特徴“多様性”

 自由の国、民主主義の国など、米国を特徴づける言葉は多い。「多様性の国」もその一つだ。その言葉の持つ意味は街を歩く人々の肌の色の違い、バラエティー豊かな服装を見ただけでも分かる。だから、米国人に少数派はあっても、“変わった人”はいないのである。

 ところが、観光都市であり、米国中の人々がやってくるワシントンで時々、タイムマシンに乗って、数百年前の世界からやってきたのではないか、と疑ってしまうような一団に会うことがある。キリスト教宗派「アーミッシュ」の人々だ。

 聖書の教えに忠実であろうと、男性は一様に黒の帽子をかぶりあごひげを蓄える。女性は髪をひっつめにして黒や白のキャップを着ける。男女とも服装は黒が中心で、質素な装いだ。

 アーミッシュの存在を初めて知ったのは、映画『刑事ジョン・ブック/目撃者』を日本で見た時だ。ハリソン・フォードが主演し、アーミッシュの農村ペンシルベニア州ランカスターが舞台だった。

  ランカスターはワシントンから車で北へ二時間半。彼らはそこで電気、ガス、水道を使わずに農業や酪農を中心に自給自足の生活をする。

 米国を表すもう一つの言葉に、「自動車の国」がある。その自動車さえも拒否して、世俗社会との交わりを避けるアーミッシュは、米国の多様性を象徴する存在だと言える。


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