世界の街角
navix
email

韓国・京畿道九里市在住
志田康彦

韓国サッカー強化の道

 コンフェデ杯が日韓両国で行われ、韓国マスコミでも日本の活躍を大々的に報道していた。

 ちょうど十年前、日韓の親善試合が蚕室競技場で行われたとき、韓国の新聞が「日本にすごい選手が現れた」とカズこと三浦選手を褒めていた。あの時は日本が韓国に対して学ぶような姿勢だったが、今はまったく逆の立場になったと思うのは私だけではないだろう。

 日本と韓国のサッカーを比較すると、技術や戦術の理解度よりも選手層の厚さの違いが目に付く。日本はプロサッカー発足が韓国に比べかなり遅れたにもかかわらず、すでに二部制のリーグ組織に発展しているが、韓国はいまだに十チームというお寒い状態だ。

 人口が少ないこともあるが、学校教育にも要因があると私は思う。韓国の場合、ほとんどの運動がエリート教育になっている。小学、中学、高校、大学と進むにつれて、チーム数が減り、その中でエリートとして残ったものしか運動を続けられない。

 だから、高校で運動部に所属している子供たちのほとんどが、スポーツで食べていこうと思っているわけで、四六時中運動ばかりしている。しかし、こういうシステムでは良い選手は生まれても、大器晩成の選手を育てられないし、選手の層を厚くすることはできない。それに、運動も楽しみながら学業に励むような環境がないのは、教育上も良くないのではないかと思う。


ウルグアイ・モンテビデオ在住
堀本幸伸

バス内で行商する人々

 ウルグアイの市内バスに乗って移動していると、いろいろな人に出会います。その中でもひときわ人目を引くのが行商人です。と言っても日本のそれとはちょっと違います。

 ウルグアイの行商人は、バスの中で販売をしていくのです。一人ひとりは違う物を売りに来るのですが、本当にたくさんの種類の商品があります。例えば靴下、電池、旅行用裁縫道具、特殊洗剤、ドライバー、菓子、アクセサリーなどです。

 しかし、この人たちはどうもバスの乗車料金を払っている様子がありません。実は、彼らは個人で勝手に行商をしている人たちです。ですから、バスの運転手や車掌に乗車を拒否されるときもあります。さらに、商品ばかりではなく、時には募金をしたり、ギターを片手に歌いに来ることもあります。

 面白いのは、だれかが必ず何かを購入していることです。確かに他のスーパーよりも安く見えることもあります。でも、同時に商品自体が安っぽく見えることもありますが、売り込みの言葉にのせられて買ってしまう人がいるのです。

 ギター片手に歌を披露する人の方が多くの人からお金を受け取っているようです。別に商品を買うわけではないので、お金を渡す方も気軽に与えているのではないかと思います。チップの習慣が行き届いており、小銭を与えることと受け取ることに対する違和感がありません。


ロシア・モスクワ在住
大川佳宏

被雷したトロリーバス

 「いやー、驚いた」

 ゴムがこげるにおいが漂うトロリーバスの運転席から、こう言いながら運転手が出てきた。乗っていたトロリーバスに、雷が落ちたのである。

 モスクワは最近、夕方に激しい雷雨に襲われる。車が増え、都市化が進んだことが、気候変化の一つの原因だろう。

 運転手は修理にかかった。雨に濡れながら架線からポールを外し、運転室の配電盤をいじり出した。再びポールを戻すと、運転席のメーターパネルのランプがともった。

 「おー、大丈夫か」。運転手はそう言ってアクセルを踏むと、今度は大きな音とともにメーターパネルに火花が走った。前よりもっとこげ臭くなった。

 三十分ほど過ぎ、まだ少々こげ臭いものの、トロリーバスは動くようになった。実はこのトロリーバスは終点を過ぎているのだが、雨が激しかったので運転手にお願いして、私はそのまま乗っていたのだ。のろのろと走るトロリーバスが車庫に着いたので、礼を言って降りようとした。

 ところが運転手は「そのまま乗っていろ」と言う。運転手が車庫の事務所を往復すると、トロリーバスはすぐに動き出した。そしてさっきの終点のバス停の反対側で私を降ろし、待っていた多くの客を乗せて走り去っていった。

 落雷には驚いた。しかし、落雷を受けても働き続けるトロリーバスにはもっと驚いた。


HOMEBACK