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南ア共和国・ヨハネスブルク在住 長野康彦
アフリカは広大だった
機会があって五月初旬、南アフリカの隣国、ナミビアを訪れた。ヨハネスブルクから西へ車を走らせること十八時間。首都ウィントフークまで千八百キロの道のりだ。道中をともにした南アに住む友人は、この道のりをわずか十三時間で走破するというツワモノ。“ラリーのドライバーにでもなったら”なんて思ったりする。
旅の道連れは三人だが、運転は一番年下である私の役目。目的地ウィントフークに着いたときは、もうヘトヘトだった。
ナミビアは旧ドイツ領。ウィントフークの町並みはまるでヨーロッパの小都市のように小ぎれいで美しい。しかし、首都とはいっても車で十分も走れば、市の端から端まで行けるほどの大きさ。ここを過ぎれば、また荒野が果てしなく広がっていく。
ナミビアは、南アとの関係が深い国だ。物資の大半は南アからの輸入品で、経済は完全に南アに頼っているような状態。南アの通貨はナミビア国内でも使えるが、ナミビアの通貨は南アでは使えない。
ウィントフークから西へさらに三百キロほど行くと、そこは大西洋だ。スワコプムンドという小さな海辺の町は、ここから南へ広がるナミブ砂漠への観光の名所で七、八月などは観光客で大変にぎわう。この砂漠が幅三十キロ、全長八百キロにわたって続くというから、なんとも気の遠くなる話だ。
復路の途中、車の故障に見舞われ、修理で三時間のロスタイム。懐かしいヨハネスブルクへ着いたのは夜の十二時を回っていた。
しかしこれだけ走ったのに、地図で見ればアフリカ大陸の下の方をちょこっと東西に往復しただけ。アフリカはやっぱり広かった。
モンゴル・ウランバートル市在住 加藤誠也
雨が好きなモンゴル人
モンゴルの夏は雨期にあたる。日本人にとって梅雨はうっとうしい時期だが、モンゴル人は雨が降るのをとても喜ぶ。この時期の雨は草原を息づかせ、遊牧民たちが家畜を養ううえで欠かせないからだ。
冬は寒いが雪が降ることはほとんどなく、一カ月の降水量は数ミリほど。冬が終わり日差しが強くなり、薄く硬く凍った雪が解け始めたと思っていると、あっという間に二五度を超す夏日が訪れる。ここで雨が降らないと、強い日差しに草は耐えられず、枯れてしまう。
過去二年、夏に雨が降らなかったうえに、冬は厳しい寒波に襲われ、家畜被害が深刻だった。夏に草が育たず、冬のための家畜の餌となる干し草を蓄えられなかったことが被害を大きくさせた。夏の降水量は遊牧民の一年の生活を左右する。
モンゴルの雨期は、大概ぱらっとお湿り程度に降るだけだ。だからほとんどのモンゴル人は、雨が降っても、傘をさすこともなく、雨の中を歩くのを楽しんでいる。
それでも、時々激しい雨に襲われることがある。そうすると排水設備が未発達のため、道が川のようになってしまうことがある。歩くのに困り、都市の生活は不便になってしまう。それでも、夏の雨はどんなに降っても草原に悪いことはないという。遊牧民にはありがたいものだ。
今年は今のところ、よく雨が降っている。雨が続くと、日本人は憂うつな気分になってしまうが、「よく雨が降りますね」というモンゴル人の顔はとてもにこやかだ。去年の夏は草原が焼けたように黄色かったが、今年は美しい緑に染められることになりそうだ。
エジプト・カイロ在住 鈴木眞吉
エジプトの誇る建築物
今、エジプト人が世界に誇りとして考えている建築物が「スエズ運河架橋」と「アレクサンドリア図書館」だ。同架橋は三十四年ぶりに同運河にかかる唯一の橋で、中東和平の架け橋として期待されている。何せ同運河には過去四つの橋が建設されたが、中東戦争などでいずれも破壊されている。
日本政府は無償援助で総工費約二百二十億円の約六〇%を負担。工事も主要部分は日本の企業が請け負って技術も提供した。運河を運航する船舶のため、運河の水面から橋げたまでの高さは七十六・七メートルと世界最高。十月に完成の予定だ。
一方、エジプト第二の都市アレクサンドリア市に、ユネスコやアラブ諸国をはじめ世界中の国々からの援助によって建設が進められてきたアレクサンドリア図書館もほぼ完成。五月初旬、報道陣に公開された。同館はインターネット時代に合わせ最新の技術を世界中から取り入れ、超近代的な図書館として完成が待たれてきたが、それ以上に、古代のプトレマイオス朝時代(BC三〇四−三〇、最後の女王がクレオパトラ七世)に建設され、ユークリッドなど当時の一流の学者たちが世界各地から集まって研究し、ヘレニズム文化を育んだ世界最大の図書館、アレクサンドリア図書館の再現というところに、関心が集まっていた。
世界中からの寄付金は九千六百五十万ドル(約百十六億円)を超え、今後も集め続ける。ムバラク大統領夫人は「この図書館は四番目のピラミッドのようだ」と語り、ピラミッドと同等の世界的遺産との認識を示した。今後の学問研究発展の最大拠点としての役割が願われている。

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