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ドイツ・ベルリン在住 富田武史
新聞・雑誌購読の仕方
ドイツでは新聞や雑誌は種類が実に豊富で、消費者には選ぶ楽しみがある。ドイツの首都ベルリンに限って言えば、地方紙は五種類。それに加え、全国紙が五紙ある。キオスクに行けば、全国各地の地方紙や外国紙もあるため、五十紙ぐらいあるのが普通だ。
そのために、各紙とも必死の購読キャンペーンを展開している。ベルリンの有力地方紙三紙は毎日、人通りの多い街角に販売員を立たせ、二週間の試読サービスをしている。昨年は、左翼系全国紙が破産寸前であったが、人情に訴えるキャンペーンを展開し、首の皮一枚で生き残ったことが記憶に新しい。
ドイツでは、自宅訪問など、しつこい勧誘は法律で禁止されているので、気軽に試読できるという利点がある。ある学生寮では、数人の学生が十種類の新聞を順番に試読をし、年間無料で新聞を読むという裏技を使っている。また、ほとんどの新聞では、有料読者を紹介すると、電化製品や商品券がもらえる。
一方、週刊誌は、新規購読のお礼として、値打ちある景品をおまけに付けるところが多い。ある大手時事週刊誌は、辞書機能付き電子手帳、またはオリジナル腕時計を景品に。ライバル誌は、携帯用ラジオまたは高級万年筆をプレゼントしている。ある女性週刊誌は、わずか二十五マルク(約千五百円)という安価で八週間のお試し購読ができるが、その記念品として、旅行バッグを贈呈している。
競争が激しいプリントメディアの世界では、読者獲得策として、大盤振る舞いのサービスでもしなければ淘汰されてしまうといった感じだ。読者にとってはこのような競争は大歓迎だ。
モンゴル・ウランバートル市在住 加藤誠也
春は最も嫌われる季節
零下三〇度以下になる厳しい冬が終わり、モンゴルにも春がやってきた。二月末ごろからは、踏み固められ、硬く氷のようになっていた雪も溶け始め、気温は零度前後になる。東京あたりならまだ冬の気候だろうが、こちらに住んでいると、暖かい春の陽気を感じる。
しかしこのころの天候は、一五度ぐらいのぽかぽか陽気もあれば、翌日いきなり零下一〇度以下になったりと不安定なのが特徴だ。朝は暖かいからといって油断はできない。午後から急に寒くなることがある。風速二十五メートルを超す突風が吹き荒れるのもこのころだ。一日に春夏秋冬すべてを経験するような日もあったりする。
今年は特に、四月に入ってからウランバートル市で、一晩で十センチを超す積雪を記録し、地元の人たちもびっくりしていた。冬でも、通常は一センチぐらいうっすらと降るだけで、こんな大量の雪がウランバートルで降ることはない。例年より気象の変化が激しい。
この大雪は、モンゴル全土を覆い、十三人以上の死者を出した。朝は暖かく、薄着をして遊牧に出かけたら、急に寒くなり、大雪と突風に襲われ、歩くのもままならず、道を失い、家に帰れなくなり、凍死したのだ。モンゴルの春の気候は恐ろしい。
日本では、心の変わりやすいことを「女心と秋の空」というが、モンゴルでは、不安定なことや怒りっぽいことを「春の空みたい」と表現する。春といえば、木々が芽吹き、新しい生命の躍動を感じさせ、一般的に多くの人が最も好む季節だが、モンゴルでは、春は一番嫌われる季節である。
南ア共和国・ヨハネスブルク在住 長野康彦
キャセイ機搭乗のてん末
所用で飛行機に乗った。いつもはシンガポール航空を利用するが今回、初めて香港のキャセイパシフィック航空を選んだ。
日本から南アフリカへはアジア経由が一般的で、シンガポール、マレーシア、キャセイパシフィックの便が便利だ。機内サービスの良さではシンガポール航空が有名だが、キャセイパシフィックもなかなかのもの。映画やテレビ番組を見られるスクリーンが全席にあり、食事の味も日本人好み。スチュワーデスも親切で、サービスの細やかさはさすがアジアの航空会社だな、と思う。
以前、南アフリカの隣国ザンビアへ行く際、南アフリカ航空を利用したことがある。そのサービスといったらアジアの航空会社にはとても及ばない。聞くところによると、南アフリカ航空では、質の良い搭乗員はフライト時間の短い国内便勤務を希望するという。国際便は長時間勤務で疲れるからだ。給与第一主義ではなく、余暇をより重んじる国民性がこんなところにもよく表れていると思う。
話を戻してキャセイパシフィックだが、筆者はすっかり気に入り、帰りの便を楽しみにしていた。だが、帰路につき香港で乗り換えると、なんとそれは南アフリカ航空の飛行機。一瞬、間違えたかと思ったが、チケットの便名と相違ないし、行き先もヨハネスブルクになっている。機内誌を読んで、キャセイと南ア航空は共同運航していることが分かり納得。しかし残念なことに、機内サービスはキャセイとは段違い。キャセイの飛行機は便名が三けた、南ア航空は四けたで区別できることを知ったのも後の祭りだった。

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