世界の街角
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アルゼンチン・ブエノスアイレス在住
江頭利将

経済救う最後の切り札

 先日、電撃的にカバーロ氏がアルゼンチン経済相に返り咲いた。彼は、前大統領であるメネム時代に経済長官として働いた人物。一ドル=一ペソの固定為替制度を始め、長く続いていたインフレから抜け出すことに成功した立役者でもある。しかし、デラルーア大統領にとってみれば、敵対する党の幹部でもあるため、大変苦しい選択だったようだ。

 実は、彼が就任する一週間前に大統領が選んだマーフィー氏が経済相として就任したのだが、就任演説で語った税制調整案が不評を買い、一週間後に辞表を提出。その余波を受け、副首相をはじめとする人事が行われ、新内閣が発足するなど、十日間の間に政治が大きく変化した。

 メルコスール(南米経済共同体)の中心国家でもあるアルゼンチンの不況は、周辺国家の事情もありなかなか解決しない。十数年前のハイパーインフレ時に比べれば、それでもまだ経済は安定しているのだろう。新聞によると、アルゼンチン国民の四七%が経済回復を信じ、またインターネット投票では、新経済政策を八〇%以上の人が支持しているという。

 二十一世紀は、農業大国であるアルゼンチンが世界の食糧庫として復活すると,人々は信じている。自然の恵みに満ちたこの国を生かすも殺すも政治次第だという。また人々は、政治家たちは盗人だと言ってはばからない。本当に国を憂い、国を思う政治家が出てくれば、アルゼンチンの人々も、自然も、心から歓迎してくれることだろう。新経済相のカバーロ氏、本当に活路を見いだす切り札となってほしいものだ。


ウルグアイ・モンテビデオ在住
薬師寺富代

世界の“当たり前の姿”

 「タンゴといえばアルゼンチン」と思われがちですが、それをいうとウルグアイ人は大変憤慨します。「ウルグアイこそタンゴ発祥の地である」と言い張るのです。なぜか。タンゴの作曲家でもあり、歌手でもあるカルロス・ガルデルがウルグアイのタクワレンボという県で生まれたからです。

 毎年、ガルデルが亡くなった日が近づくと、町の塀や店の窓ガラスに彼の生涯を描いた映画のポスターが張られます。また命日にはカトリック教会でミサが行われます。そのミサはミサらしいところはほんの五分で、後はタンゴのオンパレード。次から次へと有名歌手が壇上に上がり、自慢ののどを披露します。

 イベントもあまりないウルグアイですが、クラシックバレエの公演があり、しかも無料というので友達(日本人)と出かけました。もうとっくに開場時間は過ぎているのに入り口は閉まったまま、客らしい人もいません。

 不審に思って店じまいを始めている豆売りのおじさんに聞くと、「あんた、知らなかったのかい?」とあきれたように言います。「副大統領がきょう亡くなったんだよ。きょうはどこも何もやらないよ」。副大統領の死に遭遇して国民全体が喪に服していたのです。日本とのあまりの違いに目からうろこが落ちるようなショックを覚えました。

 日本では総理のあら探し,こき下ろしがいとも気軽にテレビで行われているのに。ガルデルにしろ副大統領にしろ、国を代表する人物を愛し大切に思う心がここにはあるのです。もしかしたらこれが世界の当たり前の姿なのかもしれない。だとしたら日本はいったい何なの?


韓国・ソウル市在住
京谷訓浩

開港した仁川国際空港

 極東アジアの航空交通の中心となる夢を乗せて三月二十九日、韓国に新国際空港が誕生しました。仁川市の横にある二つの島、永宗(ヨンジョン)島と龍游(ヨンユ)島の間(五千六百ヘクタール)を埋め立てて建設した、二十四時間ノンストップの拠点(ハブ)空港です。どことなく関西国際空港を意識しているように思えてならないのは、私の偏見でしょうか?

 ところで、開港前日、金浦空港で最後の国際線が離陸後、各航空会社は徹夜でトラック八百六十余台に荷物を載せ、引っ越し大作戦を繰り広げ、二十九日の初フライトに備えました。

 事前テストの段階で、システムのトラブルが多発し、また空港自体が不便な所にあるために、従業員との労働協議が解決しなかったり、空港へのアクセスが高速道路だけで、しかも料金が高いということで、本当に二十九日にオープンできるのかなと思ったりもしましたが、半ば強引に開港したようです。しかし、初日こそ多少のトラブルは発生したものの、大きな混乱はありませんでした。ほっと一息!というところです。

 しかし、トラブルがあっては困るので、各航空会社も独自に対応の準備をしていました。大韓航空は、出国カウンターで目的地別にカウンターを指定して出国手続きを受け付け、アシアナ航空も本社のネットワークと連結された独自の予約システムをカウンターに準備しました。乗客手荷物を正確に分類するための追加のタグも数万枚準備し、万一の場合に備えたかいもあったのでしょうか、香港空港の時のようなトラブルはありませんでした。韓国の面目躍如といったところですね。


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