世界の街角
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ウルグアイ・モンテビデオ在住
堀本幸伸

“季節はずれ”の新入学

 ウルグアイの三月はなにかと騒がしい。それもそのはず、十二月から始まった約三カ月の長期夏休みが終わり、学校が新しくスタートするからだ。日本でも四月から新学年が始まり、ちょうど時を同じくして、ウルグアイでも新入学セールがスーパーやショッピングセンターで大々的に行われる。

 日本から来た者にとっては、なんだか懐かしい三月から四月の光景である。北米などでは新入学は九月であるため、四月のこのころはちょっと寂しい気もする。でも、南米ウルグアイでは、日本と同じような時期に新入学があるのだ。

 しかし、そのような懐かしさとは裏腹に、日本人ならばどことなくその新入学セールに違和感を覚えるだろう。うん?桜の花がないではないか! いや、そんなことではない。

 あたりを見回すと、その理由がはっきりしてくる。季節は秋。すでに、冬物まで店頭に並んでいる。三月の新入学という行事を目の当たりにしたとき、日本にいるような錯覚を覚え、「今年も春が来た」とつい口走ってしまうほど懐かしさを感じた。

 しかし、その錯覚も南から吹く寒い南氷洋の風を体に受けブルッと震えた時、日本とは季節が全く逆である南米のウルグアイにいる現実に引き戻されるのである。

 人間とは面白いもので、頭では季節は逆だと分かっていても、カレンダーを見ると、三月は春であると勘違いしてしまう。さらに勘違いを助長するのは、この新入学セールであろう。

 三月とは、冬支度をしながら、頭の中ではどうしても、春を待ちわびる歌詞が、くるくると頭の中を回るそんな月である。


米国・ピッツバーグ在住
内林直人

米国人の心の基は“神”

 黒地に白文字の大きな看板が、街角のガソリンスタンドや高速道路入り口など目立つ場所に立っている。内容は「善良な人々が何も行動を起こさなければ、悪がはびこる」「私(神)のベストセラー(聖書)をまだ読んでいないのか?」など倫理的、宗教的なものだ。

 米国人の九五%までが神の存在や宇宙の霊を信じている(一九九五年調査)と言われ、国歌やお札・硬貨、大統領の演説などあらゆるところに神が遍在している米国。宗教が倫理・規範をつくり、社会秩序を生み出す根拠となっているのは事実だ。

 ユダヤ人の比率が多いのも米国の特徴である。例えば彼らはユダヤの聖日である土曜日の朝になると、男性は黒装束に黒い縁付き帽子かキュッパ(皿型帽子)をかぶり、女性は肌を露出しないように濃紺か黒の長いスカートを履き礼拝に出かける。それも個人ではなく、老いも若きも家族そろってであり、家族の結束の強さに感心させられる。

 この神がともにある米国でも、銃犯罪には手を焼いている。一昨年ごろから、子供が発砲する銃乱射事件が起きるようになり、つい最近の三月にもサンディエゴ近郊の学校で乱射による死傷者が出た。ブッシュ新大統領の政策中心は減税だが、ほかに教育の充実も掲げており、宗教団体や教会活動に税金を投入しようとしている。

 翻って日本人はどうだろう。宗教が嫌われ一神教が根付かない日本で、どのような規範を心の基として、人々は毎日を送っているのだろうか。最近の青少年の倫理欠落は、日本を米国よりもひどい犯罪社会に変えてしまうのではないかと心配させられる。


韓国・京畿道九里市在住
志田康彦

緻密な日本と余裕の韓国

 韓国に住んで十二年になるが、最近改めて韓国人と日本人の違いについて考えさせられる出来事があった。

 先日、友達の頼みで日本から来た愛猫家との交渉を手伝ったのだが、通訳しながら両者の考え方の違いにあ然とした。韓国に愛猫協会を設立することがメーンテーマだった。日本側の意見を聞いてみると、目的を達成するための期間、プロセスなどが綿密な計算の下に立てられており、私のような猫について知らない者でも納得できるようなものだった。ただ、これを説明するのにとにかく事細かい。

 韓国人の友達は、こんな簡単なことを説明するのに、なぜそんなに細かいことまで説明するのだろうというような顔をしている。二人の話を聞きながら、改めて日韓の違いを感じさせられた。

 また、貿易業を営む日本の友達は、韓国に発注すると、毎回同じ物が届いてこないと嘆く。Tシャツを注文した時も、一センチ幅が短かったり、生地の厚さが違っていたりして大げんかになったという。

 とにかくこのような話をたくさん聞くのだが、そのたびに日本人の綿密さと、韓国人の余裕を足して二で割ればいいのにと思ってしまう。日本人の良さは、このプロセスを大切にして、きちんと物事の処理ができることにある。日本人自身もまた、このことに価値をおいている。

 韓国には「アラソ ハンダ(自ら判断して処理する)」という言葉があり、人々もこの言葉をよく使う。日本人から見るとアバウトで大ざっぱに見えるが、韓国人はこの大ざっぱさを大切にし、価値をおいているように思える。


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