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ブラジル・マットグロッソドスル州在住 濱田純一
復活祭のチョコレート
二月、三月と、日本ではチョコレートやキャンディーがよく売れる季節だろうが、ブラジルではホワイトデーはもちろんのこと、バレンタインデーも存在しない。
と言っても、恋人たちが互いにプレゼントを渡し合う日というのは別にちゃんとある。代表的なのは六月十二日の“ジア・ドス・ナモラードス(恋人たちの日)”で、この日が近づくと、商店街にプレゼントを探しに若者たちがあふれる。チョコレートを買うわけではないが、お互いにプレゼントを贈り合う日となっている。
ブラジルでチョコレートの日といえば、アメリカや欧州と同じく、やはりパスコア(イースター・復活祭)だろう。あいさつが「チョコレート食べた?」というくらい、中が空洞で卵型のイースター・エッグ・チョコがあふれる季節となる。スーパーマーケットでも、所狭しと飾ってあるし、実際にほとんどの人が複数の卵チョコを食べる。これは愛の告白とは関係ないが、製菓会社が企画して成功したものに違いない。パスコアの日なら老若男女を問わずその対象となるし、チョコレートの販売を考えても、暑い夏が峠を越す四月中旬のイースターのころが適当と考えたのだろう。
クリスマスにケーキを食べるのも、日本独特の風習のような気がする。ブラジルではケーキを作る家はまずないし、二十五日そのものがキリスト教国家として大切にされているのが、日本との決定的な違いである。西洋文化の適用が、巧みに商業主義に利用されている日本では、そのうちイースターもエッグ・チョコの日として当然のように祝われる時が来るかもしれない。
韓国・ソウル市在住 京谷訓浩
大雪とマスコミの役割
ソウル・京畿道・江原道を中心に先月十五日,またもや大雪が降りました。今年は雪がとても多く、三十二年ぶりだということです。先回寄稿した時に、ソウルの人たちの意識が、「自分がやらなければならない」から、「だれかがやるだろう」へと意識が変化しているようだと書きましたが、今回は様子が違っていました。
この大雪によって、ソウルおよび周辺地域の交通機関は一時期、完全なまひ状態に陥りました。各地で交通事故が多発し、けん引車の手配が間に合わず、場所によっては数時間全く動けない状態になりました。これを受けて、政府が緊急対策本部を設立し、公務員を大動員し、徹夜の除雪作業を強行しました。これによって、主要幹線道路は十六日夕方にはほとんど作業が終了、翌日には完全に復旧しました。
変化はこれだけではなく,一般家庭にもみられました。すなわち、多くの人が協力し合って雪かきが行われ、住宅街の雪が凍る前に雪が取り除かれました。それで、人の往来に支障をきたすことなく、残った雪が凍結することによる転倒事故が先回と比べると劇的に減少したようです。
実は、先回の大雪の後に、マスコミがこぞって、雪かきを怠ったことを繰り返し批判し、国民に啓蒙していたのです。それで今回は、すべての対応がうまく連携し、大雪の被害を最小限に抑えることができたのだと思います。マスコミの影響は本当に大きなものだということを今回は実感しました。マスコミには、今後も商業主義にとらわれない本質を突いた報道を通して、国民の意識を高めるよう努力してほしいものです。
ロシア・モスクワ在住 大川佳宏
モスクワで焼きそばを
モスクワではここ数年、日本料理店がかなり増えました。「おいしいだけじゃない。ニギリやテマキズシはとても美しい」。ロシアの友人は日本料理の魅力をこう語ります。でも、値段がとても高いのが欠点です。
そんな中で、値段の割と安い日本料理店がオープンし、人気を集めています。店の名は「やきとりや」。でも、メニューは焼き鳥だけでなく、すしもとんかつも、さばの味噌煮もあります。
入り口では、映画「ベスト・キッド」に出てきそうな格好をした、ハチマキ姿のロシア人が迎えてくれます。カウンターの向こうでは、韓国系ロシア人がテキパキとすしを握っています。内装も本格的で、いい雰囲気です。
ただ、あちこちの壁に大書された日本語には、少し笑ってしまいます。「美女」「同盟」「福祉」「東京社会」「東洋大学」「健康美容」「貯蓄」などなどです。
店内には多くの女性客もいます。隣の席では、キャリアウーマン風の女性が焼き鳥を片手に雑誌を読み、携帯電話で話をしていました。社会の変化はすさまじいものがあります。十年前、この国はソ連と呼ばれていたのですから。
どの料理が一番おいしいか、それは私には判断できません。が、とても印象に残った料理があります。出された瞬間、目からうろこが落ちる思いでした。
それは焼きそばです。基本的には普通の焼きそばなのですが、メンがそばです。とてもエキゾチックな味でした。日本よりも「日本的な」焼きそばがここにあります。モスクワに来られる機会がありましたら、ぜひご賞味ください。

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