|
イスラエル・テルアビブ在住 野中 直
若者のオープンカフェ
テルアビブ市庁がある通りには、多くのレストランや喫茶店が並んでいる。ここを歩いてふと気づいたのだが、ほとんどの店はオープンカフェである。店舗自体はそんなに大きくないが、店の前の道路上に多くのいすとテーブルを出してにぎわっている。
今は冬だからオープンカフェは寒そうだが、道路上の店のエリアは地面から天井までガラスのカバーで区切られる。これで路上にも閉じた空間ができ、大型ストーブを中に持ち込むことでかなり暖かくなる。このようにガラスで仕切られたレストランや喫茶店は大変人気がある。ある店などは昼の三時くらいから人があふれていて、その周辺の歩道は大変うるさく、まるでハチの巣をつついたような騒ぎである。そういう店を通りつつ、横目に様子をうかがうのだが、客のほとんどは若者だ。
このオープンカフェ、てっきりイスラエルの人々が好むスタイルかと思っていたが、どうもそうではなく、テルアビブを中心に流行しているらしい。また、これらの店は大抵は安息日と関係なしに営業し続ける。若者たちはその時間に店に来ては大騒ぎをしているというわけだ。
これについてある識者が、金曜、土曜の夜と言えば家族においてだんらんをし、一緒に食事をしながら文化を引き継いでいく大事な時間であるのに、若者たちが外出してそのようなカフェやバーで過ごすことは残念なことだと嘆いていた。
オープンカフェは文字通りオープンだ。これからもますます若者に受け入れられていくだろう。だが家族を大切にするイスラエル人、良い伝統は崩さないでほしい。
ウルグアイ・モンテビデオ在住 堀本幸伸
繁盛する蚤の市と密輸
ウルグアイの風物詩の一つに蚤(のみ)の市があります。特に、首都モンテビデオでは、毎日のようにどこかの街角で蚤の市が行われています。土曜日や日曜日に行われる蚤の市は平日とは規模が違い、至る所で自動車の通行止めをして道路を占拠しています。
最近ではスーパーマーケットが進出し、小さな町々にまで展開しており、蚤の市の必要性が薄れてきたり、その存在意義が変化してきております。蚤の市へ出向く客層は、だいたい中産階級やそれ以下の所得者たちです。より安く物を購入しようとして来る人がほとんどです。特に、野菜など生鮮食品に関しては、生産者が直接売りに来る分、中間マージンが省けて安く買えますし、店頭での交渉もある程度成り立ちます。
これらの食品以外でも、ペットボトルに入った清涼飲料類や加工製品(衣類、保存食、雑貨など)も、安く買えます。公にはだれも認めませんが、蚤の市で販売されているそのような物はたいていがブラジル・アルゼンチンなどからの密輸品だと言われています。
この密輸に関して、最近政府は神経をとがらせていますが、国内の加工食品や加工物の価格が、企業にかけられる税金によって引き下げができない現状があります。また、密輸品の中身が麻薬などではないので、密輸を行う側も取り締まるべき税関も問題意識が薄く密輸を助長する結果となっています。
ただ、大きく展開しているスーパーにとっては目障りなので政府に働きかけ、一層の取り締まりを要求しています。しかし、結局、税制を変革し、国産品の価格が下がらない限り、苦しむのは一般大衆ということになります。
韓国・ソウル特別市在住 竹井弘樹
宗教がとても盛んな国
韓国は、宗教がとても盛んな国ということでよく知られています。高いところから見渡すと、あちこちに赤い十字架、また卍の旗がなびいていたりします。
人口住宅総調査結果(一九九五年)のデータをみると、宗教をもっている韓国人は人口全体の五〇・七%で、男性が四七・〇%、女性五四・二%。韓国の三大宗教は仏教、カトリック、プロテスタントですが、その割合はカトリックが二〇・三%、仏教一八・三%、プロテスタント七・四%です(九七年調査)。また長寿の職業は宗教家という興味深いデータもあります。
街を歩いていても、その人が何の宗教をもっているかがわかるものを身につけています。一般にカトリック信者の場合は、左手の人差し指に十個の突起のついた指輪や、聖母マリアの像のあるネックレスをしています。この指輪は、祈祷や敬礼をした数を数えるのに使うためで、クルクルと指で回して使います。プロテスタント信者の場合は、十字架のネックレスや指輪をしています。また仏教信者の場合は、腕に小さな数珠や卍のついた指輪をはめています。
伝道も盛んで、電車の中でもよく「イエス様を信じてください」と大きな声で叫んで演説している人や、中には突然、いすに座っている若者に対して語り出す人をみかけます。
韓国の人は、宗教を持つことを全く当たり前のことのようにとらえていて、「若いのに宗教を持つなんて」と言う人はいません。若者に「日曜日には何をしますか」と聞くと、「教会に行きます」という答えが、すんなりと返ってきます。

|