世界の街角
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南ア共和国・ヨハネスブルク在住
長野康彦

森首相歴訪に思うこと

 新年早々、森首相が南アフリカをはじめ、ケニア、ナイジェリアとアフリカ三カ国を歴訪した。先進国であり経済大国日本の首相が初めてサハラ砂漠以南のアフリカ各国を訪問するとあって、現地の人々の反応はどんなものか、興味深く事の推移を追っていた。

 首相訪問に時を合わせるかのように私は高熱が出て、首相を中心とした在留邦人の集会などに出席することができなかったが、それでも病床から、地元マスコミがどのように日本の首相を取り上げるのかテレビニュースに見入った。

 ところが思ったほど報道に熱が入っておらず、全体的なトーンは低め。ちょっと意外な感じがした。

 日本にいる知人から、南アのマスコミがあまりに少ないことに首相の随行員が焦って、「どうなっているのか」と南ア政府筋に問い合わせたというエピソードを日本のマスコミが紹介したと聞いた。

 南アの会社企業は一般に、新年は一月半ばまで休みのところが多く、そのころまで新聞も薄いし、訪問が一月八日という新年早々だったため、リポーターも大半がまだホリデー中だったのか、とも思われる。しかしジャーナリストなら、休日返上でビッグニュースに飛びつくのが当然であるから、やはり当初からマスコミとしてはそれほど重要視していなかったのだろうと思う。

 先日訪れた地元みやげ物店の店主に、「この間、日本の首相が来たよね」と話を持ちかけると、「えっ、そうだったの?」と訪問の事実さえ知らなかった。アフリカにとって、極東の日本はまだまだ遠い国なのだな、と思った。


アルゼンチン・ブエノスアイレス在住
江頭利将

長期バケーションの夏

 アルゼンチンは、今が夏真っ盛り。バケーションシーズンで、いつもにぎわっているブエノスアイレスも大変静かだ。

 小学校(七年制)と中学校(五年制)は、十二月初めから三月初旬まで夏休みとなる。ただし、大学は十一月まで授業があり、十二月に試験を行うが、不合格となると二月ごろ追試があるため、正式に授業が始まるのは三月下旬となる。うまく試験に合格し次の学年に進むことが決まった学生は長い夏休みを楽しめる。

 社会人は、二週間から一カ月ぐらいのバケーションがあり、それぞれ交代でとる。だから、一月にバケーションに行ったら二月は働くといったことが多いようだ。

 しかし、バケーションに出て担当者がいないと、その仕事をカバーするという親切な会社や役所は少ない。担当者がバケーションから戻るまで待たなければならないのには驚くばかりだ。官公庁の中には一カ月まるまる休んでしまうというところもあり、公文書の処理は「決して夏に行ってはいけない」などというジョークまで存在する。

 人生は楽しむものという発想のアルゼンチン人からすれば、一年で一番楽しめる夏にバケーションをとらないということは、人生そのものを無駄に過ごしていることになるらしい。バケーションも出してくれない会社なら辞めてしまえということになってしまう。

 彼らは、こうやって一年に一回の長期バケーションをとることで、一年間仕事や学業に励むことのできる力を充電しているのだろう。一週間仕事をしないと不安になってしまうような人は、ここアルゼンチンには存在しないようだ。

(江頭利将・ブエノスアイレス在住)


韓国・ソウル市在住
原田 一

増加する外国人居住者

 先日、久しぶりに日本に帰り、再びソウルに来るとき、アメリカ人が非常に多かったのを見て、改めて駐韓米軍の存在を意識した。戦後から今まで、多くのアメリカ人が韓国内に住んでいるが、彼らは固まって住んでいるので、それほど接する機会は少ない。

 ところが、最近は各国の外国人たちが韓国に入ってきており、街で見かけることがある。かつて、中国から朝鮮族が出稼ぎに来て、地下道などに一斉に薬などの露天商でにぎわった時期があった。その後、イラン人の労働者が急速に増えた。釜山のほうでは、ロシア人が出入りしているとも聞く。

 最近では、農村にフィリピンのお嫁さんが多数嫁いでくるようになった。農村では女性たちがほとんど都会に出てしまうので、婚期を逃した男性があふれ、そこにフィリピンの女性たちが穴を埋めるような形で入ってきた。さらに、モンゴルやタイからのお嫁さんも少しずつ増えているという。

 韓国では、産業の形態が先端技術による付加価値の高いものを追求する方向に転換しつつあり、重労働や安い賃金で働く仕事をする人々が少なくなってきたからかもしれない。

 一九九八年から「外国人投資促進法」が施行され、租税減免、私有地買入費・賃借料減免及び分割納付、事業資金低利貸出、行政支援などの特恵が与えられ、先進国からも注目され、多くの投資があるものと期待されたが、その一方で、こうした社会の「すき間」に外国人が入り込んでいるのだ。

 単一民族を誇る韓国人も、時代の流れにはどうすることもできないようである。


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