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米国・ニュージャージー州在住 アンダーソン京子
「与えよ」のクリスマス
十一月二十三日の感謝祭が終わり、クリスマスのイルミネーションが至る所で輝き始めた。どこでも「ともに喜びを分かち合う時」とのうたい文句が並べられ、クリスマスの日まで人々は与えることに忙しい日々を過ごす。毎年同じように映画の「ワンダフル ライフ」がテレビ放映され、与える大切さを語りかける。
どの町でも町役場や中心地に生えている指定された木にイルミネーションを飾るのが恒例である。それに光(電気)をつけるライティングのイベントが毎年十二月上旬の夜行われる。
また、日本の年賀状の代わりに送るのが「クリスマスカード」である。感謝祭が終わってから十二月二十五日のクリスマスの日まで多くのカードがビジネスから個人に至るまで行き交う。それとともに、クリスマスプレゼントが別に贈られるから郵便局や運送業者は一年中で一番忙しい時だ。
クリスマスカードも最近はインターネットを利用したカードのやり取りが増える傾向にある。それでもまだ多くの人が伝統的な手書きのカードを好んでいる。お年玉くじのようなものはなく、カードは絵はがきではない。家族写真のものも絵はがき風ではなく、カードとして作製され、封筒に入れて送るように作られている。
日本のように絵はがき風の方が経費削減でよいとも思うのだが、アメリカの場合は日本より郵送料が安いのであまり人々は気にしないのかもしれない。
とにかく、私にとってクリスマスは人のために生きることの大切さを再認識させてくれる貴重な時となっている。
ウルグアイ・モンテビデオ在住 堀本幸伸
警察官の仕事あれこれ
ウルグアイは、南米でも屈指の治安の良い国です。特にブラジルやアルゼンチンのお金持ちなどは、ウルグアイへ安全を楽しむために観光旅行に来ると言われているほどです。もちろん犯罪がないわけではありません。ただ、他の南米の国々と比べると、非常に凶悪犯罪が少ないというだけです。
特に全人口の半数が住む首都モンテビデオでは、ひったくりやこそ泥、車上狙いなどが最近多くなっており警察も注意を呼びかけています。
モンテビデオの一番の繁華街である「7月18日大通り」では、「観光」という腕章をつけて、観光客をトラブルから守ることを主任務とした警ら隊が、ある程度の間隔を開けて行き来しております。国家の外貨収入の大半を観光事業から得るウルグアイとしては、このように観光客を守るアピールを積極的にしているようです。
しかし、日本では考えられないような光景に出くわすことがあります。例えば、スーパーで買い物をしていると、同じように買い物かごを手に持った制服姿の警察官がいるのです。実は、ウルグアイの警察官は、自宅から制服を着用し通勤してきます。ですから、公共の交通機関であるバスなどにも制服姿の警察官が通勤のために乗ってきます。
もっと驚くのは、ウルグアイの警察官は、警備会社などでアルバイトなどもしています。そのうえ、もし必要であれば、個人的に、または警察署を通して特別警戒の契約もできます。言い換えれば、現職の警察官を自宅・自営店・アパートなどの警備のために契約して警備してもらえるということです。しかも、警察の制服のままで。
韓国・京畿道九里市在住 志田康彦
失われゆく韓国の美徳
先日のニュースで、ある少年の事件を報道していた。見知らぬ老人を階段から突き落として死なせてしまったこの少年は、三〜五年の刑に服することになっていたが、遺家族の許しにより犯罪者としてのレッテルだけは免れた。根がまじめな中学生であることや、父母がアパートを解約してまで慰謝料を準備したのが遺家族の心を動かしたという。
ところで、この事件の発端は,少年が電車の敬老席に座っていたことをとがめられたのが原因だった。カッとなり、下車した老人を階段で突き落としてしまった。私が韓国を初めて訪れた十年前では考えられない事件である。当時は電車やバスで老人に席を譲るのは当たり前で、満員の車内では座っている人が立っている人のかばんを持ってあげるのが普通であり、エチケットでもあった。
あれから十年。電車に乗ってみても、かばんを持ってあげたり、席を譲る人を見かけることが少なくなった。敬老席で寝たふりの若者もよく見かける。日本のお年寄りは席が埋まっていると、初めから座ろうとしないが、韓国では敬老席に若者が座っていると、諭して若者をどかせるお年寄りが多い。この前もお年寄りから諭された若い女性が、真っ赤な顔をして隣の車両に移るのを見かけた。
韓国は八八年のオリンピック以後、“漢江の奇跡”といわれるほど経済成長を成し遂げてきたが、半面韓国の美徳である精神の豊かさを失ってきたのではないか。韓国をよく知る外国人にとっては、“東方礼儀の国”と言われてきた韓国の豊かな精神をいつまでも失ってほしくないと思っているのは私だけではないであろう。

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