世界の街角
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エジプト・カイロ在住
鈴木眞吉

素晴らしい挨拶の言葉

 エジプトがアラビア語を使っている国民であることは意外に知られていない。エジプトのイメージとしてピラミッド、スフィンクス、象形文字、クレオパトラなどで古代を想起させるものが多いためだろうか、エジプトがいつイスラム圏になってしまったのかも知る人は少ないようだ。

 エジプトは約五千年間の王国時代の後、ローマ帝国に滅ぼされローマ支配時代、コプト教(エジプトのキリスト教)時代を経て六四一年、イスラム軍によるカイロ攻撃により征服され、今日までイスラム国家として存続してきた。これが、現在アラビア語が使用されている理由である。

 アラビア語ではお互い交わすあいさつは「サラーム・アレイクム」と呼びかけ「アレイクム・サラーム」と返答する。サラームは平和とか平安を意味し、神からの意味が含まれている。アレイクムは“あなたに”の意味だ。だから毎日お互いが「神からの平安があなたにあるように」と言い合っていることになる。エジプトを含むアラブ人は皆このあいさつを誇りに思っている。

 驚くことは、どんな場所でも老若男女を問わず、元気にあいさつを交わすことだ。一言のあいさつがその場の雰囲気をいいものにするのは万国共通。エジプト人の性格は実に陽気で、人なつっこい。

 そして感心するのは、バスに乗ろうとしてどのバスに乗るべきか尋ねると、ほとんどの人が一緒に乗ってバス代を出してくれることだ。日本円にしてわずか十円か二十円なのだが、日本では考えられない親切心が息づいている。これも日常のあいさつの実践からきたものだろうかと思うこのごろだ。


米国・ニュージャージー州在住
アンダーソン京子

行事がめじろ押しの秋

 ニュージャージー州も紅葉が深まり、秋の気配の漂う今日このごろである。この時期になるとハロウィンが十月三十一日にあり、大人も子どももどんな仮装をするかが大きな課題となる。町中にお化けの飾りつけが増える。それが終わると、十一月二十三日の感謝祭に向けての飾りつけで町の色が一変する。その感謝祭が終わるとクリスマス一色に変わる。秋の落ち葉の寂しさを消すかのように、めまぐるしく町の色が次々に変化していく。

 そんな中で、バレエを習う子どもたちからそれに携わる大人たちまでが、恒例とも言えるチャイコフスキーの「くるみ割り人形」の練習に追われる。最近は多くの人たちがクリスマスを迎える前に「くるみ割り人形」を見ないとクリスマスを迎えられないというような雰囲気がある。大きくて有名な劇場から町の小さな劇場に至るまで十二月には「くるみ割り人形」が公開される。

 わが家の長女と二女もこのイベントにかかわって五年になる。

 十月にはオーディションがあり、毎週週末には本格的なリハーサルが十二月まで繰り返される。小さい子供たちだけのリハーサルは子どもたちがやけに興奮して、いつも以上に大きな声で友達とおしゃべりをしたりして、監督は大きな声を張り上げざるを得ない。それでも、子どもたちは本当に楽しそうに練習し続け、監督が大好きだ。

 十二月の晴れの舞台の日まで子どもたちはうれしいこと、楽しいこと、苦しいこと、悲しいことを練習を通して分かち合う。公演の最終日、舞台の上では皆感動の涙でいっぱいになる。毎年忘れられない秋である。


韓国・京畿道九里市在住
志田康彦

熾烈極める免税店競争

 先日、ソウル市内にある新羅免税店のオンラインショッピングモールがオープンし、イベントでブランド嗜好調査が行われ、韓国人が最も好むブランド品は“グッチ”、最も頻繁に購入するのは香水という結果が出た。

 この調査によると、グッチ(一六・六%)に続き、シャネル(一六・一%)、プラダ(九・九%)、バーバリー(九・七%)の順になっていたが、日本人に人気の高いルイ・ヴィトンやエルメスが上位に入っていないのは意外だった。やはりファッション嗜好にもお国柄で若干の違いがあるのだろう。それにブランド品は高価なものであるとともに、韓国人は四百ドルと購入限度が決められているため、購買につながらないという理由もあるのかもしれない。

 ところで、ソウル市内には何カ所か免税店が運営されているが、その中でも代表格の新羅、ロッテ、SKM免税店が次々に免税ショッピングモールをオープンし、激しい競争を繰り広げている。営業の助けになるほどそんなに売り上げがあるわけではないが、将来を見越してシェア獲得のために投資しているのだという。

 この免税店競争には、ウォーカーヒルホテルで運営しているSKM免税店が、四月に千坪にも及ぶ大型免税店を江南地域にオープンし、ロッテと新羅で二分していたマーケティングシェアに食い込んできたという経緯がある。この免税ショッピングモールもSKMが先にオープンしたことで、後を追い新羅とロッテが十月十日の同じ日にオープンしている。もともとこの三つの免税店は、母体が財閥という背景もあり,熾烈を極めた競争を展開している。


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