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韓国・ソウル特別市在住 竹井弘樹
ノーベル平和賞と国民
ここ連日、韓国の新聞では、金大中大統領がノーベル賞を受賞したことを祝う企業の広告が紙面を飾っている。これまで韓国ではノーベル賞を受賞した人がひとりもいなかったこともあり、ノーベル賞初受賞に国民の喜びも一層大きかったのだろう。
十月十三日韓国時間午後六時、金大統領のノーベル平和賞受賞の話題がトップニュースで伝えられた。この受賞は、これまでの金大中大統領の政策と努力に対する評価の結果である。
この日、国民が金大中大統領と金泳三前大統領、この二人の大統領の政治姿勢に対する、ちょっとした事件が報道されていた。
その内容は、同日午前十一時、金泳三大統領は、韓国高麗大学政治学科の教授の招待によって、大統領学という講義で特別講演をする予定だったという。しかし、総学生会の主催で集まったメンバー約百五十人余りが「IMFを招いたYS(泳三)、われわれはあなたを招待した覚えはない」などの立て看板が掲げて正門に立ちはだかり、十二時間以上もの間、金前大統領の車を学校に入れないようにした。こうして、車の中で籠城したあげく帰宅させられた金泳三前大統領は、車の中で金大統領のノーベル賞受賞のことを聞き、「ノーベル賞も地に落ちたものだ」ともらしたという。
このニュースから、現職の金大中大統領が一生懸命に経済を回復や、北朝鮮との関係の改善に対して努力している姿に対し、これからの韓国を担うべき学生たちは、冷静な目で判断をくだし、高く評価していると思った。これからの大統領の活動は、今まで以上に国民に注目されていくことだろう。
ドイツ・デュッセルドルフ在住 富田武史
欧州人の優雅な夏休み
欧州諸国の夏休みはとにかく長い。彼らからすればそれが当然のことのようだ。それに比べ、日本人サラリーマンの夏休みの短さは世界的に見たら例外的なのかもしれない。
ドイツに限って言えば、会社員のみならず、公務員や政治家まで長期の夏休みを楽しんでいるから何とも優雅な話だ。今年の夏、プーチン・ロシア大統領の夏休み中に、潜水艦沈没事件が発生した。その時、大統領は渋々と職務に戻ったというエピソードがある。また、フランスのシラク大統領は、アフリカのモーリシャス諸島で、一泊二万二千フランという超豪華なバカンスを楽しみ、国民のひんしゅくを買った。
また、ドイツのシュレーダー首相は、スペインのマヨルカ島で夏休みを過ごした。休暇中、極右主義による事件が多発したにもかかわらず、だ。 欧州人は仕事に完全にケジメをつけて夏休みを楽しんでいる。
個人的な話になるが、今年九月、わが家に長女が誕生した。夏休みによる影響をもろに受けた。
産婦人科の担当医は八月、約一カ月のギリシャ旅行に出かけた。「三週間ほど留守にするが、その間何かあったら他の病院に行くように」とのこと。妊娠末期なのに,何と無責任なことか,と思った。そして、出産の直前。出産前の痛みが始まって、助産婦に連絡しようとしてもまったく連絡がつかない。どうしたことかと思って助産婦センターに連絡をすると、「彼女には夏休みをとらせた」と言う。
「仕事は仕事」として、家庭に仕事を一切持ち込まず、楽しみ方を知っている欧州人の生活スタイルを日本人は少しばかり見習った方がいいのかも。
モンゴル・ウランバートル市在住 加藤誠也
店員は王様、客はしもべ
共産主義国では人々に労働意欲がなく、非効率的な企業運営をしていることはよく指摘されることだ。ソ連の次に長い七十年の共産主義体制の歴史を持っていたモンゴルでは、民主化、市場経済への移行が始まり十年たつが、共産主義時代の習慣はなかなか抜けないようだ。
ある日、コンピューターショップに行った時のこと。展示してあるコンピューターを指して、「これはいくらか」と聞いたら、「値段はまだ決まっていない」との答え。「じゃ、買うにはどうしたらいいのか」と切り返すと、「値段が決まってから買いに来い」とのこと。「それなら、他のコンピューターはどうか」と聞けば、同じく「まだ値段は決まってない」という。
店は開いて、展示もしてあるのに、売ることはできない。「後から来い」、それもいつになったら買えるのか分からない。何とも信じられない光景だ。この店員は商品を販売するのではなく、決められた時間にちゃんと店にいることが仕事という共産主義的経営に,今も忠実に従っているのだろう。
競争原理による市場経済の導入は、商品の質や消費者に対するサービスの向上を促したりするが、モンゴルでは、お客さんに対するサービスが売上を左右するという意識はまだないようだ。市場に行き、よさそうな物があってのぞいていても、店員は「知らん顔」ということが多い。
「店員が王様。お客は『しもべ』」。共産主義時代に労働者が王様気分に慣れたおいしい味は、経済体制が変わっても失いたくないのだろう。

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