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イスラエル・テルアビブ在住 野中 直
パレスチナ人との確執
イスラエルでの紛争が激化している。このコラムが掲載されるころにはイスラエル情勢はどうなっているだろうか。今までは庶民的な話題を提供してきたが,イスラエルと言えばどうしてもユダヤとパレスチナの関係の話を避けて通れない。
イスラエルは建国五十周年を超えたくらいであるから、まだ国としては若い。聖書に載るくらいに古い国であるはずだが、約二千年前にこの地を追われて流浪の旅に出ていた。そして五十数年前にイスラエルに戻ってきて、再び建国したのである。では、それまではこの地域にはだれが住んでいたのだろうか。トルコやイギリスの植民地になったりしたが、基本的に国はパレスチナ、住んでいたのはパレスチナ人、いわゆるアラブ人が多かったのである。
イスラエルの独立戦争とは、すなわちこのパレスチナ人を追いやり、ユダヤ人の国を建てることにあった。イスラエル建国後、パレスチナ人は難民になったりもしたが、そのままイスラエルに残る人たちもおり、それが現在イスラエルでユダヤ人と衝突を起こすパレスチナ人となっている。パレスチナ人はイスラエル国内に住む地域が決まっていて、それがガザやヨルダン川西岸と言われる地域である。よく言われる入植地とは、パレスチナ人地域にユダヤ人居住地を作りこんだものである。
イスラエルとパレスチナの問題はまだまだ解決しそうにない。宗教を異にしながら同じエルサレムを聖地とするのも問題の一因だ。しかし元はと言えば、ユダヤ人もパレスチナ人もアブラハムという一人の人間から出発した。いいかげん兄弟げんかはやめるべきである。
ブラジル・マットグロッソドスル州在住 濱田純一
ロマリオに期待集まる
二〇〇二年日韓共同開催のサッカー・ワールドカップ(W杯)の南米予選は、全十八節の前半戦九節までが終了、ブラジルはアルゼンチンに続き二位に付けている。今月八日には、油田の都市マラカイボの競技場でベネズエラと対戦し、セ氏四〇度にもなる灼熱の太陽の下、FWでこの試合もフル出場したロマリオが、前半のハットトリックを含む四点を挙げ、ブラジルが六−〇で大勝した。
九四年W杯アメリカ大会のMVPロマリオは、今年すでに三十四歳。九八年フランス大会では、前回優勝国として予選を戦わなくてもよかったし、本戦もけがで開催直前に出場を断念している。その後も、前代表監督からは招集を受けなかったが、遂に先月、対ボリビア戦で復帰して、いきなりハットトリック。監督が代わった今回も四得点と、二試合で七得点をたたき出した。これで、代表チームでのゴール数もほぼジーコに並び、さらにペレを目指すと発言しているが、この四年間、絶えず試合に出ていたら、今ごろはペレに並んでいたかもしれない。また一試合平均のゴール数は現在、ペレの〇・八三を上回る〇・八九となっている。
守備重視の現代サッカーの中で、絶えず得点を重ねるロマリオ。再びその抜群の能力をアピールし始めたが、問題はFWとしていつまで活躍できるかというところだ。
決定力不足に悩んでいた現代表チームの中で、ロマリオのほかに、果たしてだれが、試合を決めるゴールを奪い、ブラジルを五度目の優勝に導くのか。ロマリオには、あと二年、と国民は大きな期待を抱き始めている。
南ア共和国・ヨハネスブルク在住 長野康彦
春なのにもう夏がきた
「冬と夏の間に 春を置きました…」と歌ったのはオフコース。こちら南半球の国、南アフリカでは今、季節は冬と夏の間、のはずである。
しかし春とは言うものの、なんと暑いこと。日本のような淡く優しくうららかな春ではなく、冬が終わるなり、いきなり夏が来てしまったようだ。じりじり肌を焦がす日差しが照りつける毎日。花見だ、おぼろ月夜だという風情のかけらもない。そこにあるのは、厳然たる自然の推移だけなのだ。
インフラ整備が遅れているこの国で車は生活必需品。しかし日本のように、春風に髪をなびかせ楽しいドライブ…というわけにはいかない。カージャックが頻発しているので、運転中、気を抜くことはできないのだ。窓を開けて走るのは禁物。信号で止まったときや曲がり角で減速したとき、どこから強盗が襲ってくるとも限らない。だから暑くても窓は閉める。クーラーのついていない車は最悪だ。
黒人は肌が黒いから、より太陽熱を吸収しやすく、非黒人よりも暑いのではないか、などと考えたりするのだが、私が玉のような汗をぬぐっている時も、当地の友人は涼しい顔をしている。発汗作用の違いとか、そこにはまた別の理由があるに違いない。
「春宵一刻値千金」とうたわれた春。自然の刻々たる移ろいを詩や歌にして愛でるというのは東洋ならではの慣習か。移ろう季節に風情を感じ、四季の中に自己の喜怒哀楽の思いを重ねる。アフリカという遠き地から思うのは、そのような美しい風土と文化、四季折々の自然に恵まれた日本という国へのいとおしさ、である。

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