平成21年6月11日
国内
温暖化ガス、05年比15%削減
太陽光発電拡大で上積み
首相が中期目標発表
麻生太郎首相は10日、首相官邸で記者会見し、日本の2020年までの温室効果ガス削減の中期目標について、「05年比で15%減」とすることを発表した。外国との排出権取引や森林吸収分は含めず、太陽光発電や省エネなど国内での削減努力で達成を図る。首相は「100年に1度という経済危機の中でも、地球温暖化対策の手を緩めてはならない」として、達成に全力を挙げる決意を表明。同時に「国だけが頑張っても実現できない」と、国民に協力を呼び掛けた。
中期目標をめぐっては、経済への影響を懸念する日本経団連が「05年比4%減」の緩い目標を求める一方、斉藤鉄夫環境相は「同21〜30%減」を主張し、政府は「同14%減」とする方向で調整を進めていた。首相は、欧州(同13%減)や米国(同14%減)の中期目標も考慮。太陽光発電の導入拡大でさらなる削減が可能と判断し、1%上積みした。
会見で首相は、今回の中期目標設定に当たり@主要排出国の全員参加と日本のリーダーシップA環境と経済の両立B50年までに60〜80%削減を目指す長期目標の実現−の3原則を重視したことを説明。「欧米の中期目標を上回るものだ」と意義を強調するとともに、これ以上の削減は「国民の負担が余りにも重くなる」と困難との認識を示し、理解を求めた。さらには、中期目標の達成により30年に約25%、50年に約70%それぞれ削減できると分析し「長期目標の実現に、道筋をつけるものだ」と述べた。
首相はまた、年末の国連気候変動枠組み条約第15回締約国会議(COP15)など、温室効果ガス削減の次期枠組みづくりの交渉を主導したいとの考えを示し、「新たな枠組みは主要な排出国である米国、中国などが参加するものとしなければならない」と訴えた。
政府の試算では、中期目標を達成するための温暖化対策を講じた場合、1世帯当たり年間76000円の負担増が生じるとしている。