11面 読書 2007/04/08 back

【文庫】

 ◎モーム著『サミング・アップ』

 名作『月と六ペンス』などで知られるイギリスの小説家、劇作家のサマセット・モームが64歳の時、自分の人生を締めくくるような気持ちでつづったエッセー。

 内容は、自分の生い立ち、文章観、人生観、人間観、さらには哲学談義など多岐にわたっているが、モームの文学・芸術の本質にかかわるすべての内容が網羅されている。

 「およそものを書く人間で、読者が努力をしなければ書いてあることが理解できないような文章を書く人間には、私は昔から我慢がならなかった」と率直に語られた文章論、常に矛盾した内容を抱える人間論など、鋭く深い人生観照から生まれたエッセー集。

 (行方昭夫訳、岩波文庫 903円)

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 ◎三谷一馬著『江戸庶民風俗図絵』

 本書は、江戸風俗画の第一人者である著者が精魂を傾けて描いているシリーズの一冊。

 江戸の生活のありさまが生き生きと描かれていて楽しめるものとなっている。

 江戸中期以降の「女の風俗」「男の風俗」「食」「人事」「商売」「住」「旅」などをテーマに描き出したもので、全部で三百余点に及ぶ。

 (中公文庫 1,300円)

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 ◎斎藤由香著『窓際OL 会社はいつもてんやわんや』

 「窓際OL トホホな朝ウフフの夜」に続く第2弾。会社の内幕をこれほど暴露していいのか、というほどあっけらかんに会社の内情と、知人友人家族を巻き込んで暴露し、その赤裸々なアブナイ話を面白おかしく描いたエッセー。

 年末年始に強行された社屋の引っ越し騒動から、精力剤「マカ」をめぐるぶっちゃけ話が展開し、その破天荒ぶりに憂鬱(ゆううつ)な気分も吹き飛んでしまう一冊。 (新潮文庫 500円)

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 ◎東郷隆著、上田信・絵『「絵解き」雑兵足軽たちの戦い』

 イラストで戦国時代の合戦や武器甲冑(かっちゅう)などを紹介したシリーズの2冊目。

 戦国時代の合戦の主役である足軽雑兵たちのルーツや衣装、合戦の仕方、風俗などをリアルにイラストで再現し、当時のありさまがよく分かるようになっている。

 武器の使用方法や給料の額などもあり、どのように足軽たちが生活していたかが理解できる。時代小説ファンには垂涎(すいぜん)のビジュアルな入門書だ。

 (講談社文庫 520円)

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