| 4面 国際企画 2007/04/08 | back |
【対訳WT】流血のソマリア昨年末から年初の数カ月間に米国の政策立案者は、ソマリアの将来に関して珍しく楽観論を述べる機会を得た。「これまで15年以上もの間、私たちは皆一縷(いちる)の望みがかなう時が訪れるのを心待ちにしていたが」「その時が訪れた。私たちはそれを逃してはならない」とアフリカ担当国務次官補のジェンダイ・フレーザー大使は言った。エチオピア軍は(イスラム根本主義組織)「イスラム法廷会議」の軍隊を驚異的な早さでやっつけ、イスラムの民兵が、まさに、国際的には認められているが、事実上無力な国連支持の政府を制圧するかに見えた時に、形勢を逆転させた。イスラム教徒の幹部と民兵がソマリアの首都モガディシオを混乱の中でちりぢりになって逃げ出したとき、私たちが主張したように、戦争で引き裂かれた国を永続する平和と正当なガバナンスへ向かわせるチャンスは実現しかかっていたのだが、イスラムの民兵が隊を組み立て直すことができる前に、素早くその機をとらえる必要があったことは火を見るよりも明らかであった。ぐずぐずしていたために、赤十字国際委員会がこの国が15年間に経験した中で最悪のものだと言った暴力が再び始まったが、それは、ソマリアの状況が悪化し、楽観的な思いが棚上げにされた最も新しい証拠でしかない。 イスラム主義者の反乱と部族間紛争が複合して燃え上がり、ソマリアで武力衝突が再び始まったことは、アルカイダのテロリストに作戦行動を起こす安全な隠れ場を提供した一種の破綻(はたん)国家への逆戻りの前兆である。1998年のケニアとタンザニアの大使館爆破事件をもくろんだ責任者らはソマリアに避難したが、「アフリカの角」と呼ばれる地域に同国が位置しているせいで、中東にとってもソマリアは戦略的に重要になっている。国務省によると、紛争は、中にはアルカイダと連携しているものもいる外国の武闘勢力を引き寄せているという。 脆弱(ぜいじゃく)なソマリア政府は外国から支援を受けているため、正当性について疑問を投げ掛けられている。歴史的に隣国と非友好的関係にあるソマリアの多くの人々にとって、エチオピア軍は最初から招かざる客であった。政府を支援するために、アフリカ連合(AU)の指揮下にある中立軍が認められた。今のところ、ウガンダだけが、AUの平和維持軍の一部としてソマリアに軍隊を置いている。しかし、ウガンダ軍の人数は約1400人で、AUがもともと要請していた7600人の平和維持軍に遠く及ばない。 武力衝突の再燃は、派兵を約束した他の国々のやる気を失わせる可能性がある。部族の有力な指導者からの和平の呼び掛けも、政府とイスラムの民兵との間で結んだ休戦協定と同様、暴力行為を沈静させることはできずにいる。政府は市民に首都の一部地域から避難するように警告しているので、昨年12月に訪れた絶好のチャンスが去ったことは明らかになった。政策立案者は今和平への努力を初めからし直さなければならない。(4月3日付)
|
The Sekai Nippo Co.,Ltd. 1975- Tokyo,Japan