両陛下、戦没船員を慰霊される


民間から徴用、犠牲に

 天皇、皇后両陛下は21日、神奈川県横須賀市の県立観音崎公園を訪れ、戦没船員の碑に供花された。

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天皇、皇后両陛下は神奈川県立観音崎公園の「戦没船員の碑」に献花し、拝礼された=21日午後、神奈川県横須賀市(代表撮影)

 太平洋戦争では、多くの民間船が徴用され、連合国軍による攻撃で日本の民間船員6万人余が死亡した。両陛下は皇太子殿下御夫妻だった1971年、碑建立を記念して行われた第1回戦没船員追悼式に出席し、即位後もこれまで6回碑を訪れ慰霊を続けてこられた。

 両陛下は正午ごろ公園に御到着。碑に白菊の花束をささげた後、深く一礼された。天皇陛下は遺族代表として出迎えた後藤美津子さん(86)に、「残念なことでしたね。どうぞお元気で」と声を掛けられた。

 供花後、後藤さんは記者団に「皇后さまからも『ご苦労なさいましたね』と言葉を頂いた。折につけて(足を)運んでくださるなど心を寄せていただき、心から感謝しています」と話した。

 両陛下はこの後、静養のため同県葉山町の葉山御用邸に入られた。午後3時すぎには御用邸裏の「小磯の鼻」と呼ばれる海岸を散策。集まった人から「お元気で」と声を掛けられると、陛下は「ありがとう」と笑顔で応じられていた。両陛下は25日に帰京される予定。