両陛下、熊本の被災地御訪問


避難所で被災者御見舞い

 天皇、皇后両陛下は19日、羽田発の特別機で熊本県入りし、南阿蘇村の避難所に身を寄せる被災者を見舞われた。自衛隊のヘリで移動する際には、上空から犠牲者に黙とうをささげられた。益城町でも避難所を訪問し、夜に空路で帰京される。

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天皇陛下は南阿蘇中学校の体育館に避難している住民に声を掛けられた=19日午後、熊本県南阿蘇村(代表撮影)

 正午すぎに熊本空港(益城町)に到着した両陛下は、自衛隊のヘリに乗り換えて、まず地震で15人が犠牲となった南阿蘇村へ向かわれた。宮内庁によると、両陛下は崩落した阿蘇大橋や東海大生3人が亡くなったアパートを上空から視察した際、犠牲者の冥福を祈るように静かに目を閉じられていたという。

 南阿蘇村に到着後は、復興状況について村長の説明を受けた後、約100人の被災者が身を寄せる南阿蘇中学校の体育館を御訪問。両陛下は板張りの床に膝を突き、避難生活が続く住民一人ひとりと目線を合わせて、「余震はまだありますか」「どうぞお大事にね」とお見舞いの言葉を掛けて回られた。

 天皇陛下から「避難生活は慣れましたか。体は大丈夫でしたか」と尋ねられたという農業の藤原三男さん(69)は「本当に優しい方。ここまで気遣っていただけるとは」と感激した様子。皇后陛下は「よく耐えてこられましたね。もう少しの辛抱です」と住民らをいたわって回られ、温かい言葉にハンカチで目頭を押さえて「ありがとうございます」と感謝する女性もいた。