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新たな御慰霊の旅の始まり、10回目の沖縄訪問終えられる


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天皇、皇后両陛下は慰霊碑「小桜の塔」で供花された=27日午前、那覇市(代表撮影)

 皇太子殿下夫妻時代を含め10回目となる沖縄訪問を無事終えられた天皇、皇后両陛下。同年代の学童が多数犠牲となったこともあり、長年希望されてきた対馬丸犠牲者の慰霊がようやく実現した。側近の一人は「両陛下も感慨ひとしおではないか」と語る。

 来年は終戦から70年という大きな節目の年に当たる。両陛下はこれまでも戦後50年で広島、長崎、戦後60年でサイパンなどをそれぞれ訪問されてきた。今回の沖縄訪問は、戦後70年を前にした新たな慰霊の旅の始まりといえそうだ。

 両陛下は先の大戦で民間人を含む多くの犠牲者を出した沖縄に強い思いを持ち続けられており、沖縄入りするとまず国立沖縄戦没者墓苑を訪れて供花されるスタイルは今回も変わらなかった。2日目には対馬丸犠牲者の慰霊碑「小桜の塔」を何度も見上げるようにしながら花束を供え、深く頭を下げられた。対馬丸記念館では熱心に質問をしながら展示を見て回り、その後の懇談では予定時間を大幅に超えて遺族や生存者の話に耳を傾けられた。

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天皇、皇后両陛下の御視察後、取材陣の質問に答える対馬丸記念会理事長の高良政勝さん=27日午後、那覇市の対馬丸記念館

 対馬丸記念会理事長を務める高良政勝さん(74)は今回の訪問について、「一つのけじめが付けられたという意味で感無量。遺族もあと10年したら話ができるか分からず、最後のチャンスにおいでになったことを感謝したい」と話した。