両陛下、トロッコ列車で新緑楽しまれる


足尾銅山跡地にも-栃木

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天皇、皇后両陛下は、わたらせ渓谷鉄道のトロッコ列車から手を振られた=22日午後、栃木県日光市

 私的旅行で栃木県を御訪問中の天皇、皇后両陛下は22日午後、わたらせ渓谷鉄道のトロッコ列車に乗車し、約50分間新緑の眺めを楽しまれた。宮内庁によると、両陛下がトロッコ列車に乗られるのは初めて。

 わたらせ渓谷鉄道は当初足尾銅山の銅を運ぶために敷設され、閉山後は第三セクターとして観光列車を運行している。両陛下は通洞駅(日光市)から水沼駅(群馬県桐生市)まで、窓ガラスのないオープンタイプの先頭車両と2両目の普通車両を行き来しながら、窓の外を流れる川を眺めたり、沿線の人々に笑顔で手を振ったりされていた。

 また両陛下は同日午前、足尾銅山跡地にある足尾環境学習センター(日光市)を視察された。

 両陛下は銅山の鉱毒によって山林が受けた被害や、植樹によって緑化が進んでいる状況について、パネルやジオラマを見ながら説明を受けられた。天皇陛下は「ずいぶん本当に良くなりましたね」と感心した様子で話し、説明役を務めた植樹活動をしているNPO法人の会長に「本当にご苦労さまでした」とねぎらいの言葉をかけられた。

 両陛下はその後、近くの銅(あかがね)橋から、植樹によって荒廃した山が復興しつつある状況を御見学。皇后陛下は「青々としてまいりましたね」と話されていた。

 両陛下は同日夕、新幹線などで帰京された。