両陛下、伊豆大島を御視察 台風被害の被災者励まされる


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天皇、皇后両陛下は台風26号の被災地視察のため大島町役場に到着し、消防団長らを慰労された= 28日午後、東京都大島町(代表撮影)

 台風26号による土石流災害の被災者見舞いのため伊豆大島(東京都大島町)を日帰りで訪問された天皇、皇后両陛下は28日午後、島内の仮設住宅で被災者を励まされた。

 両陛下は川島理史町長らの案内で、犠牲者36人のうち24人が亡くなるなど被害の大きかった元町神達地区を御視察。土石流で崩れた山の斜面を目にした天皇陛下は「写真とは違いますね。広い範囲ですね」と被害の大きさに驚かれていたという。両陛下は並んで数秒間、山の方向に頭を下げられた。

 その後、自宅が全半壊するなどした住民が入居する「北の山仮設住宅」を御訪問。両陛下は集まった入居者一人ひとりに声を掛けて回られた。

 娘を亡くし、その夫も行方不明だという那知雄司さん(75)、三枝子さん(75)夫妻。天皇陛下が「ご心配でしょうね」とかがみ込むようにして語り掛けられると、夫婦は目に涙を浮かべていた。

 2カ月の次男を抱いていた寺本朝子さん(40)は、台風の前日に出産のため島外の実家に戻っていたという。皇后陛下は「元気そうでようございました。健やかで大きくなりますように」と優しく声を掛けられた。

 両陛下は同日夕、羽田空港着の特別機で伊豆大島を出発し、皇居・御所に戻られた。