接種奨励が一時中止されている子宮頸がん…


 接種奨励が一時中止されている子宮頸がんワクチン(以下、ワクチン)について、国(厚労省)は接種を積極的に勧めることを再開すべきかどうか。その判断を急いで出す必要はどこにもないと心得るべきだろう。少なくとも今は慎重に問題の検討を重ね深めるべきだ。

 ワクチンは昨年4月に定期接種(小学6年から高校1年までの女子が対象)となった。だが、失神や全身の痛み、痙攣など重い副反応の訴えが相次ぎ、なかには運動障害などで日常生活が困難になるという重い障害を負うケースも出た。

 このために2カ月後には国による接種奨励が一時中止になり、接種者は大幅に減少したという経緯がある。

 国の有識者検討会は今年1月に、副反応の症状はワクチンの成分が原因ではなく接種時の強い痛みなどからの「心身の反応」とする見解を示した。だが、見解に対しては被害者だけでなく医学専門家らからも疑義が噴出するばかり。

 神経内科やリウマチなどの専門家が参加する研究チームの西岡久寿樹・東京医科大医学総合研究所長は、ワクチン接種後に「繊維筋痛症」と診断された女性患者が昨秋から今年5月までに25人に上ったとして「ワクチン接種によって新たな病気が起きている恐れがある」と分析する(毎日21日夕刊)。

 まだ副反応の治療法すら手探りしている中では、接種の勧奨再開を検討するような段階ではなかろう。国には慎重な対応を求めたい。