子宮頸がんワクチン問題、拠点病院の心無い診察対応


被害者家族らが実態を訴え

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集会で、被害者の副反応と診察対応の実態を訴える金澤千世さん=29日、東京・永田町の参議院議員会館

 接種後、重篤な副反応を訴える子女が相次いでいることから、接種奨励が一時中止されている子宮頸がんワクチンについて、被害者家族らが副反応と心無い診察対応の実態などを訴える集会(主催・全国子宮頸癌ワクチン被害者連絡会など)が29日、東京・永田町の参議院議員会館で開かれた。

 訴えの中では、不随意運動や激しい頭痛などの症状を訴える被害者や家族に対して、診察した厚労省研究班拠点病院の医師などが最初からワクチンとの因果関係を認めず「お母さんがワクチンのせいだと言っているから」などと親の対応を責めたり、詐病扱いしたりといった不当な対応がなされていることに被害者家族らが心を痛めている実態が浮かび上がった。

 ワクチン接種の結果、記憶障害や不随運動などの症状が出た北海道在住の女性(17)=接種時15歳=の母親の金澤千世さんは「10の診療機関を受診した末に、受診した札幌医科大学で『子宮頸がんワクチンの副作用という動画を見て真似(まね)している』『演技している』などと詐病扱いされ、本人のトラウマになった」ことを説明した。

 佐藤美也子同連絡会北海道支部代表は「被害者連絡会の電話相談を受けている時も、どこの医療機関に行けばいいのか分からないという相談をよく受ける。たとえ効果的な治療法がないとしても、自分の訴えをきちんと受け止めてもらえることが必要だ」と語り、被害者に真正面から向き合う診療体制を一刻も早く整備することの重要性を訴えた。