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佃島の祭りと柱の行方



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 近代的ビル群と昔ながらの下町風景が混在するのが東京都江東区の佃島。ここは隅田川の河口に当たり、戦災を免れた古い木造家屋が多く残る。

 頭上には電線が複雑に張り巡らされ、古井戸の幾つかも残っている。都会にありながら、ひと昔前にタイムスリップした感覚に。

 先日、ここで三年に一度の住吉神社例大祭が行われた(六−八日)。六、七の両日は、六組の獅子頭の宮出しや八角みこしの東京湾巡行。最終日の八日午前、一帯はさぞや熱気に包まれているのではと思い訪れた。

 町内みこしや子供みこしが練り歩いていたが、まだ人通りはそう多くはなく、祭ばやしだけがにぎやかだ。

 街の所々には「住吉神社」とか「住吉大神」と大書された高い幟(のぼり)が翻(ひるがえ)る。二十メートルはあろうかという立派なもの(写真・右)。

 この土地に住んで約六十年という男性に話し掛けた。「もう十年ぐらいみこしを担いでいないが」と前置きして男性は、幟がくくり付けられた柱について「あそこの川に沿って縦長に土を盛ったところ(写真・左)があるだろ。祭りのない間、柱はその中に埋めておくんだ」と。

 なるほど。小舟が泊まっている川のへりに、板塀で細長く囲まれ、中に土が盛り上がる一角が。「なぜ土の中に」と最初は半信半疑だったが、ちょうど柱が埋まりそうな長さなのに納得。

 前日に宮出しされた八角みこしは「佃島の人間しか担げない」特別なもので、みこしの水掛けはこれからとか。「夕方また来るといいよ」と言い残して男性は去っていった。

 巡行の合間、道端や細い路地では、子供たちがいすに座りスイカをほお張ったり、走り回ったり。蒸し暑い真夏日にもかかわらず、佃島の人たちは祭りを楽しみ、元気印のオーラを発散させていた。

文と写真・角川吉夫

(本紙掲載:8月19日)


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