児童虐待防止法が成立、施行されたのは2000年…


 児童虐待防止法が成立、施行されたのは2000年で、児童相談所(児相)が強制力で児童を保護し、保護者の面会を制限できるようになった。その時期、同法制定に反対する複数の団体・グループを取材したことがある。

 反対理由は大体二分され、一つは「保護者の意向が軽視される恐れがある」という主張。もう一つのグループは「親子の問題を解決するのに、児相には限界がある」というものだった。

 こうした問題点の認識は児相側にもあって、同法施行後、児相の職員、人材の養成に力を尽くしてきた自治体は少なくない。それでも16年に通信社が行ったアンケートでは、中核市47市の7割強に当たる35市が児相の設置に慎重であると答えている。

 「専門人材の確保が困難」「財政的な余裕がない」というのが主な理由だが、行政が家庭問題に立ち入ることの難しさも表しているように思う。

 しかし全国に210カ所ある児相が16年度に対応した児童虐待相談は、12万2575件。その一つ一つに子供の姿が見え隠れしていると思えば、それに対応する行政側に積極性が必要だ。

 虐待の場合、通報などで疑いが発覚すると、児相は、面接、家庭訪問、一時保護、その後のフォローまで行う。その児相と教育機関との連携も欠かせない。千葉県野田市で起きた小4女児死亡事件の顛末(てんまつ)を見ると、児相、教育機関の要員がもっと自信を持って虐待に対処すべきだったことを痛感する。