高齢者への虐待減少も介護問題は依然深刻


高齢者への虐待減少も介護問題は依然深刻

 厚生労働省が今月発表したデータによると、平成24年度の高齢者虐待件数は1万5357件で、2年連続の減少となった。特に家庭内は1万5202件で1400件近く減少。

 一方、近年問題になっている介護施設での虐待は155件で、割合は低いが増加傾向にある。

 また、家庭での虐待の半数は「夫婦のみ」、「親子のみ」といった2人世帯だった。

 特に夫婦間で起きた虐待の7割以上が2人暮らし。介護者が60歳以上という「老老介護」も6割に上っており、介護者の「介護疲れ」は深刻だ。

 一方、総務省のまとめによると、働きながら介護をしている人は291万人。介護を理由に離職した人は、平成19年9月~24年9月の5年間で48万7000人に上っている。

 高齢者の4割が自宅での介護を希望するなど、日本は家族介護を希望する割合は高い。

 そのために在宅介護に公的サービスを組み合わせて家族の負担を軽減する支援体制を充実する必要がある。

 一部の自治体が実施しているが、近距離に住んでいれば「三世代同居」と認めて住居支援を行うなど、家族を支えていく制度が必要ではないか。