幸福感を高める教育


 最近の教育ニュースで筆者が特に印象に残ったのは、「幸福感高める教育が必要」(教育新聞7月23日付)という記事だった。自民党のプロジェクトチームが今月10日、「10年後の教育のあり方」について中間報告をまとめ、林芳正文科相に提出したという。

 文系にも理系にも通じる「文理融合人材」を育成することや、教師力の向上、「世界で活躍する人材」の育成などを、これからの教育課題として提言している。

 報告の中で筆者が特に興味深かったのは、子供たちが幸福感を持てるように教育するということ。幸福感を持つことで自己肯定感や創造性、生産性が高まり、「人間力」が向上するというわけだ。そのために「人間学・幸福学」の考え方を教育に取り入れるという。

 日本の子供たちは「自分は価値ある人間」「今の自分に満足している」という割合が低い。教育は子供たちの幸福感を高めることはできないのかと思うが、幸福学では教育と幸福には相関関係がない、と言われてきたという(前野隆司・慶応大学教授『幸せのメカニズム』)。

 幸福学を研究する前野教授は、「これは、従来の教育のやり方に問題がある、ということではないでしょうか。学校では、いろいろな知識やスキルを学べる。しかし、知識やスキルを使って仕事をしても、幸せになるわけでない。だとすると、なんのために教育を受けているのでしょう」(同)と疑問を呈している。

 「人類のあらゆる営みは幸せにつながっている。…教育は、幸せに寄与するべきです」という氏は、幸福感につながる例として、自分の得意なことを伸ばす楽しみ、愛情と感謝と親切、人を幸せにする、お金を他人のために使うといったことを挙げている。こうしたことを踏まえた教育が必要というわけだ。

(誠)